新エネルギー風力発電

洋上風力発電とは?初心者の方にもやさしくメリットなどを解説

洋上風力発電新エネルギー
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電気にあまり詳しくない方には、まだなじみの薄い洋上風力発電。

実は現在、洋上風力発電が日本の厳しい電力事情を救うかもしれないということで、大きな注目を集めています。

この記事では、初心者の方にも分かりやすいように「洋上風力発電とは何か?」ということから、陸上の風力発電との違いやメリット・デメリットなども解説しています。

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洋上風力発電とは

洋上風力発電とは、海上に設置された風力発電設備です。

大型の風車が海岸部にズラリとならぶ壮観な様子を見たことがある方もいるでしょう。

ここでは、陸上の風力発電との違いも含めて、洋上風力発電の特徴を簡単に解説します。

電力不足を打開する切り札?

これまで日本では陸上の風力発電が主流でしたが、地球温暖化によって再生可能エネルギーの需要が高まり、新たに洋上風力発電の開発が進行中です。

近年さまざまな新エネルギーが導入されている中で、洋上風力発電は電力不足を打開する切り札の一つとして期待されています。

陸上風力発電との違いは?

洋上風力発電の発電方式は、陸上風力発電と異なる点はありません。

洋上風力発電が陸上風力発電と異なる点は、海底ケーブルを利用して送電しなければならないことです。

また、海上に設置するため、基礎の形成方法も陸上の風力発電とは大きく異なり、特殊な工事が必要です。

海外では広く普及

洋上風力発電の普及が遅れている日本に対して、欧米ではすでに大規模な洋上風力発電がたくさん建設されています。

特に欧州は、日本の台風のような大型低気圧が来襲することはほとんどなく、安定して電源供給できるため、早くから洋上風力発電が実用化されてきました。

2種類の形式

洋上風力発電には、「着床式」と「浮体式」の2種類があります。

着床式は、海底に杭を打ち込んで基礎を形成し、その上に風力発電を設置する形式です。

浮体式は、船のように海上に浮かぶ浮体の上に風力発電を設置する形式です。

着床式のほうが建設コストが安く、現在の日本では主流となっています。

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洋上風力発電のメリット

洋上風力発電には、おもに次のようなメリットがあります。

  • 電力供給が安定する
  • 設備の大型化が可能
  • 周囲の環境を損ないにくい
  • 海に囲まれた地形を活かせる

以下で、それぞれを順に解説します。

海に囲まれた地形を活かせる

日本は周囲を海に囲まれており、洋上風力発電を設置する場所に恵まれています。

また、日本は古来から海洋国家であったために造船技術が発達しており、そのノウハウを活かすこともできるでしょう。

離島も多いので、将来的な電源開発の余地は無限大です。

電力供給が安定する

海上は陸上に比べて強い風が吹く傾向があり、風力発電に有利です。

また、海上では季節風などの風向きが安定していることもメリットです。

陸上では全く風の吹かない日も少なくありませんが、海上ではそのようなことは少なく、継続的に発電できることも電力供給の安定化につながるでしょう。

設備の大型化が可能

洋上風力発電は、陸上の風力発電よりも設備を大型化することができます。

洋上には設備をさえぎるものが周囲にないため、大型の風車を備えた発電施設が主流です。

発電量が大きいので、近隣地域に多くの電力を供給できるポテンシャルを秘めており、将来的な電力不足の解消が期待されています。

出典:資源エネルギー庁「洋上風力政策について 」

周囲の環境を損ないにくい

洋上風力発電は、陸上の風力発電と比べて周囲の環境に優しいことが特徴です。

陸上に風力発電を設置する場合は、森林を伐採するなどの環境破壊が避けられないほか、景観も損なうことになります。

また、陸上風力発電では騒音問題もあり、地域住民の理解も不可欠です。

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洋上風力発電のデメリット

洋上風力発電には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

  • 建設コストが高い
  • メンテナンスが不便
  • 長距離の送電線が必要

以下で、それぞれを順に解説します。

長距離の送電線が必要

洋上風力発電から陸上へ送電するためには、長距離の送電線が必要になります。

陸上の風力発電では、電力需要のある地域の近くに設備を設置することができますが、洋上風力発電では海底ケーブルなどで送電しなければなりません。

建設コストが高い

洋上風力発電は大型の施設が多いため、建設コストが陸上よりも高くなります。

また、陸上と比較して輸送に手間がかかることや、基礎の施工に高度な技術が必要なことも、建設コストが高くなる要因です。

メンテナンスが不便

洋上風力発電は、陸上風力発電よりもメンテナンスに手間がかかります。

設備まで船で移動する必要があるほか、塩害対策の手間も陸上とは比較になりません。

メンテナンスできる技術者も、あまり育っていないのが現状です。

洋上風力発電の最新情報

2050年にカーボンニュートラルの達成を目指す方針の日本は、洋上風力発電の設置数増加に向けて2022年もさまざまな動きがありましたが、特に注目すべき動きをご紹介します。

国内初の大型洋上風力発電

洋上風力発電に関する動きで最も注目すべきニュースは、秋田県で設置された洋上風力発電です。

国内で初めての大規模な商業用洋上風力発電で、9月には秋田港沖に13基・能代港沖に20基の合計33基の設置が完了しました。

2023年5月31日に全ての工事が完了したことが発表され、いよいよ商業運転開始となります。

参考:秋田洋上風力発電株式会社公式サイト

現在計画中の大規模な洋上風力発電

現在、国によって「洋上風力第3ラウンド」と呼ばれる計画が進められており、大規模な洋上風力発電が建設される準備が進行中です。

建設予定地は、青森県の日本海南側と山形県の遊佐町沖の2か所で、青森県には発電出力60万kW、山形県には発電出力45万kWの洋上風力発電の建設が計画されています。

ちなみに「第1ラウンド」では2020年に秋田県と千葉県の計3海域が、「第2ラウンド」では2023年に「秋田県男鹿市・潟上市・秋田市・八峰町・能代市沖」、「新潟県村上市・胎内市沖」、「長崎県西海市江島沖」の海域がそれぞれ建設地として指定されました。

洋上風力発電の将来性は?

日本政府は、業界団体と連携して洋上風力発電の設置数増加を積極的に進めています。

令和2年12月に行われた「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会 」によると、近い将来の国内洋上風力発電の設備容量の目標は、2030年に約1,000万kW、2040年には3,000万~4,500万kWです。

これらの目標達成と、国内の洋上風力発電のさらなる発展には、設備の素材を輸入に頼っている現在の状況を改善する必要があるでしょう。

日本は洋上風力発電を設置する場所には恵まれているので、国内企業の一層の奮起が期待されます。

洋上風力発電は電力業界の切り札

洋上風力発電はこれまで日本があまり開発を進めることができていませんでしたが、政府が積極的に推し進める方針となったことで、状況が大きく変化しました。

電力は私たちの生活に直結する問題なので、今後も洋上風力発電をはじめとする電力事情には常に注目しておいた方がよいでしょう。

当サイトでも最新情報を定期的にお伝えしていきますので、ご期待ください。

風力発電を基礎から知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

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