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太陽光発電の撤去・廃棄費用は?初心者向けに適切な方法を解説

撤去って大変?基礎知識
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太陽光発電設備は廃棄費用が高額で、しかも簡単には廃棄できないことをご存知ですか?

一般的には太陽光発電は30年以上も運用できるので、撤去・廃棄のことまで想定して設置する方は多くはないというデータが出ています。

運用中からおよその廃棄費用をあらかじめ把握し、対応方法も知っておかないと、図らずも不法投棄に関わってしまう危険性もあるのです。

この記事では、初心者の方にも分かりやすいように、太陽光発電の撤去・廃棄にかかる費用や方法、関連する制度などを解説します。

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太陽光発電の廃棄費用が高額な理由

なぜ太陽光発電設備の廃棄に高額な費用がかかるかというと、ソーラーパネルが産業廃棄物に分類されるからです。

ソーラーパネルには「鉛・セレン・カドミウム・アンチモン・銀・ヒ素」といった有害物質が含まれているので、一般的な粗大ごみのように簡単に廃棄はできません。

環境を破壊しないように、また地域住民に無用な損害を与えないためにも、太陽光発電設備の適切な廃棄は所有者が責任を持って行う必要があるのです。

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太陽光発電の撤去・廃棄の費用積立が義務化

2022年、10kW以上の太陽光発電設備に対して、撤去・廃棄の費用を積立することが義務化されました。

積立制度導入の背景

実はすでに2018年4月にFIT(固定価格買取制度)認定の際の「事業計画策定ガイドライン」の改正によって、太陽光発電設備の廃棄費用の積立と、その状況を定期報告する義務が規定されています。

しかし、制度自体に強い拘束力がなかったため、実際に積立を行っていた所有者は2割以下にとどまっていました。

このような背景の元で運用されている太陽光発電設備が将来一気に寿命を迎えれば、適切な廃棄がされないまま設備が野ざらしになってしまうことが懸念されていたのです。

これを受けて、2022年4月に廃棄積立制度が改正され、同7月から廃棄費用に関する具体的な積立を行うことが所有者の義務となりました。

参考:資源エネルギー庁「廃棄等費用積立ガイドライン」

積立制度の概要

積立制度の対象となるのは、10kW以上の太陽光発電設備です。

期間は、FIT価格による売電期間の終了時期から10年前を起点とし、FIT価格での売電終了日を終点としています。

積立には「内部積立」と「外部積立」があり、多くのオーナーは外部積立を行うことになりますが、一定の要件を満たす事業者は申請によって内部積立が認められます。

内部積立が認められるには、長期間安定した太陽光発電事業が行えることなど、いくつかの厳しい要件を満たさなければなりません。

内部積立の概要は「廃棄等費用積立ガイドライン」で確認することができ、資源エネルギー庁で事前相談も受け付けています。

積立制度については、こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にして下さい。

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太陽光発電の撤去と廃棄にかかる費用

ここでは太陽光発電の撤去・廃棄に必要なおよその費用を解説するので、目安にして下さい。

撤去費用

太陽光発電設備の撤去費用は、家庭用の場合は総額で約20万~30万円、産業用の場合は1kwあたり約2万円です。

一般的に、太陽光発電設備の撤去費用は、設置したときの費用と同じくらいかかると言われています。

撤去費用の内訳は、おもに撤去業者の人件費と、屋根の上で作業するための足場をレンタルする費用です。

撤去業者の人件費がおよそ10万円で、足場のレンタル費用は30坪程度の2階建て家屋の場合は15万~20万円になります。

また、ソーラーパネルの撤去の際に屋根を補修しなければならないケースもあり、補修の規模によって数万円~30万円の費用が発生し、撤去費用に上乗せされるので要注意です。

産業用太陽光発電の場合はソーラーパネルの数が設備の規模によって大きく差がありますが、一例として20kwの場合の撤去費用は約40万円となります。

撤去費用については、こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にして下さい。

廃棄費用

太陽光発電設備の廃棄費用は、廃棄するソーラーパネルの枚数と運搬距離が大きく関わってきます。

専門業者に依頼した場合の処分費用の目安としては、平均的な20kg程度のソーラーパネル1枚あたり2,000円~5,000円です。

太陽電池モジュールのリサイクル費用に関する調査結果

引用:環境省「太陽電池モジュールのリサイクル費用に関する調査結果」

また、パネルの枚数は運搬費用にも反映され、ソーラーパネル1枚あたりの重量を20kg程度とすると、50枚で約1tとなります。

運搬費用は運搬距離が長いほど高額になり、さらに業者によっても単価に差があるので、相見積もりを取って比較検討するとよいでしょう。

太陽光発電を撤去する方法

太陽光発電設備を撤去する際には、撤去する原因によって方法が変わってきます。

ソーラーパネルが寿命を迎えた場合

ソーラーパネルの寿命はおよそ20年~30年と言われていますが、寿命で稼働しなくなった場合には、発電設備を設置した業者が廃棄物の排出者とみなされ、廃棄の責任を負います。

そのため、ソーラーパネルの設置を依頼した業者に撤去・廃棄を依頼するとよいでしょう。

不具合・故障が発生した場合

不具合・故障で取り換えを行う場合も、発電設備を設置した業者が廃棄物の排出者となり、排出者が廃棄の責任を負うことが法規で定められています。

この場合も、太陽光発電を設置した業者に撤去・廃棄を依頼するのが一般的です。

また、ソーラーパネルの寿命と言われる年数が経過していないのに不具合や故障が起きた場合は、メーカーの保証が受けられる可能性もあるので、まずはメーカーに問い合わせてみましょう。

災害などで設備が破損した場合

地震や台風などの自然災害や、交通事故や火災などの事故が原因で太陽光発電設備が破損した場合は、所有者が廃棄物の排出者となります。

ただし、災害などで破壊され落下したソーラーパネルは、産業廃棄物ではなく一般廃棄物とみなされる点に注意してください。

一般廃棄物の場合は自治体の規定に従って廃棄することになり、規定は各自治体ごとに異なるので、役所の担当部署に問い合わせて廃棄方法を尋ねてみましょう。

通常は、各自治体から許可を受けた廃棄専門業者に依頼することになります。

破損したソーラーパネルに触れると感電する危険性もあるので、所有者自身に排出者責任があっても、専門業者に任せるほうが無難です。

撤去方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にして下さい。

太陽光発電を廃棄する方法

太陽光発電設備の中でも、特にソーラーパネルは産業廃棄物なので、自由に廃棄することはできません。

廃棄する際に注意する点と、専門業者の選び方を解説します。

不法投棄の温床にならないために

先述のように、太陽光パネルの撤去・廃棄を請け負う業者はまだ少なく、競合する業者が少ないこともあって、不適切な廃棄を行う悪質な業者が後を絶ちません。

それだけにとどまらず、産業廃棄物の処理には「排出事業者責任」という規定があるので、もしも不法投棄された場合は所有者にも責任が及び、罰せられる可能性もあります。

参考:環境省「産業廃棄物を排出する事業者の方に

図らずも不法投棄の温床となってしまわないように、必ず合法的に廃棄してくれる専門業者を選びましょう。

専門業者の選び方

太陽光発電の廃棄で最も理想的な形は、廃棄まで任せられる撤去業者に依頼することです。

撤去業者を決める際に、廃棄まで請け負ってくれるかどうか確認しましょう。

次におすすめな形は、撤去業者と廃棄業者が同じ組織に属していたり、お互いに連携が取れている場合です。

いずれにしても、廃棄業者が産業廃棄物事業者の免許を所持しているかは必ず確認しましょう。

また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することによってリスクを軽減することができます。

業者選びについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、よろしければ参考にして下さい。

太陽光発電の撤去・廃棄は早めの準備を

太陽光発電の撤去・廃棄を適切に行うことは所有者の義務であり、決して軽視することはできません。

撤去・廃棄が遠い先のことであっても、その時が来て慌てることのないように、あらかじめ費用を把握しておくことが望ましいでしょう。

太陽光発電の撤去・廃棄について、さらに注意点を知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。

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