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大阪万博で体験できる未来の発電を初心者の方にもやさしく解説

大阪万博で体験できる未来の発電を初心者の方にもやさしく解説 再生可能エネルギー
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2025年4月から開催中の大阪・関西万博では、持続可能な未来社会を実現するための最先端エネルギー技術が多数展示されています。会場内外の移動手段やパビリオンの展示を通じて、再生可能エネルギーや脱炭素技術を体感できます。本記事では、初心者の方にもわかりやすく、万博で注目すべき未来の発電技術をご紹介します。

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太陽電池付きスタッフユニフォーム

太陽電池付きスタッフユニフォーム

出典:豊田合成

まずご紹介したいのは、近年特に話題になっているペロブスカイト太陽電池です。万博会場内の一部では、このペロブスカイト太陽電池がスタッフのユニフォームの背中に設置されています。服の背中に設置されているくらいなので非常に小型ですが、なかなかの出力を持っています。

発電した電力はユニフォームに付いている冷却用ファンを回すことができるので、外部電源からの充電を必要としません。しかも、市販されている空調ベストに比べて2倍ほど長い時間、冷却ファンを回せるそうです。また、この電力を利用してスマホの充電もできるようになっています。

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来場者移動EVバス

来場者移動EVバス

出典:関西電力・Osaka Metro

万博会場内外を走行するEVバスは、最先端の技術を搭載した次世代モビリティです。約100台のEVバスが、会場内外のルートを運行し、来場者の移動をサポートします。これらのバスは、レベル4の自動運転技術を採用し、特定の条件下でドライバーなしでの運行が可能です。

さらに、路面に埋め込まれたコイルからの走行中給電技術を導入し、バスが走行しながら充電を行うことができます。これにより、バッテリーの持続時間が延び、効率的な運行が実現されています。このEVバスは、未来の公共交通の姿を体験できる貴重な機会を提供しています。

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水素燃料電池船まほろば

水素燃料電池船まほろば

出典:岩谷産業

万博会場へのアクセス手段として、日本初の水素燃料電池客船まほろばが運航されています。この船は、燃料電池と蓄電池のハイブリッドシステムを搭載し、水素と空気中の酸素を反応させて電気を生成し、航行します。そのため、航行中にCO₂や環境に有害な物質を排出せず、静かで快適な乗り心地を提供します。

まほろばは、万博会場「夢洲」とユニバーサルシティポート、大阪市街地の中之島を結ぶルートで1日5往復し、定員は150人です。このクリーンエネルギー船は、船舶分野の脱炭素化の将来像を体感できる絶好の機会を提供しています。

水素社会について、より詳しく知りたい方は、以下のページも参考にして下さい。

バイオガス発電(日本館で活用)

バイオガス発電(日本館で活用)

出典:日本館公式サイト

日本館では、会場内で発生する生ごみを活用したバイオガス発電が行われています。併設されたバイオガスプラントでは、生ごみを微生物の力で分解し、メタンを含むバイオガスを生成します。

このバイオガスは、日本館内の電力供給に利用されるほか、発生するCO₂は分離され、大阪ガスが実施するメタネーション実証施設でe-メタンの原料として再利用されます。この取り組みにより、廃棄物の有効活用とCO₂排出量の削減が実現され、持続可能なエネルギー循環モデルが体現されています。

電力館

電力館

出典:電力館公式サイト

電力館では、未来のエネルギー技術を体験できる展示が多数用意されています。以下では、注目の発電技術をいくつかご紹介します。

無線給電

無線給電とは、電気をコードなしで機器に送る技術です。電磁波や磁界を使って、離れた場所にある機器へ電力を届けます。たとえば、スマートフォンのワイヤレス充電や、電気自動車(EV)の非接触充電などがあり、コードの抜き差しが不要で便利です。

大阪・関西万博では、走行中にEVバスへ電力を送るワイヤレス給電システムが導入されているほか、電力館でも無線給電の仕組みや実際の応用例を体験できます。

振動力発電

振動力発電とは、人や車などが動くときに生じる振動エネルギーを電気に変える技術です。例えば、歩いたりジャンプしたりすることで床が揺れますが、その揺れを利用して電気を作ります。この方法は、太陽光や風力と同じように、自然の力を使った再生可能エネルギーの一つです。特に、たくさんの人が集まる場所や、車がよく通る道路などで活用されています。

電力館では、振動を利用した発電のデモンストレーションが行われています。

宇宙太陽光発電

宇宙太陽光発電とは、宇宙空間に設置した太陽光パネルで発電し、その電力をマイクロ波などに変換して地上に送る仕組みです。宇宙では天候や昼夜の影響を受けず、安定した発電が可能です。

日本では、2024年12月に長野県で航空機から地上への送電実験が成功し、2025年には小型衛星を使った宇宙からの送電実験が予定されています 。電力館では、宇宙太陽光発電の模型やシミュレーションを通じて、その可能性を学ぶことができます。

マグマ発電

マグマ発電とは、地球の深くにある高温のマグマの熱を利用して電気をつくる発電方法です。マグマの熱で水を温め、蒸気を作ってタービンを回し、電気を生み出します。日本ではまだ実用化されておらず、研究段階にあります。

北海道森町の「地熱開発調査」では、2006年に世界初のマグマ溜まりへの掘削が行われました。電力館では、マグマ発電の原理や実用化に向けた取り組みについて紹介されています。

コンクリート電池

コンクリート電池とは、電気を蓄えることができる特別なコンクリートのことです。通常のコンクリートにカーボンブラックという炭素の微粒子を混ぜることで、電気を通す性質を持たせます。これにより、建物の基礎や壁などが電気を蓄える「蓄電池」として機能します。例えば、太陽光発電で得た電気を昼間に蓄え、夜間に使用することができます。また、道路に使えば、電気を使って雪を溶かす「融雪」や、電気自動車への無線充電も可能になると期待されています。

日本では、北海道札幌市でこの技術を使った実証実験が行われています。電力館では、コンクリート電池の構造や応用例を展示しています。

音力発電

音力発電は、空気中を伝わる音波(音の振動)を電力に変換する技術です。神奈川県藤沢市にある株式会社グローバルエナジーハーベストでは、圧力を加えると電気が発生する圧電素子を使用し、音の振動を圧力として伝えることで発電する仕組みを考案しました。この技術は、騒音などの未利用エネルギーを有効活用することを目的としています。

電力館でも、音力発電の仕組みや実験装置を通じて、その可能性を体験できます。

植物発電

植物発電とは、植物の光合成の過程で出る微弱な電子を使って電気をつくる新しい発電方法です。植物の根のまわりにいる微生物が有機物を分解するときに出る電子を取り出して、電気として利用します。土に電極をさして、少しずつ発電します。電力館では、植物発電の実験や展示を通じて、自然エネルギーの可能性を学ぶことができます。

まとめ

大阪・関西万博では、未来のエネルギー技術を実際に体験し、学ぶことができます。EVバスや水素燃料電池船、バイオガス発電など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが数多く紹介されており、貴重な経験となるでしょう。ぜひ会場を訪れ、最先端の発電技術に触れてみてください。

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