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送電・通信用の海底ケーブルとは?初心者の方にもやさしく解説

送電・通信用の海底ケーブルとは?初心者の方にもやさしく解説 情報通信
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海底ケーブルをご存じですか?インターネットや電力を利用するためのケーブルが地上に存在することはご存じでしょうが、同様のものが海底にもあるのです。

2026年2月現在、日本を取り囲む海底では、最新のデジタル技術を駆使した巨大なプロジェクトが次々と進んでいます。今回は、私たちの暮らしの「生命線」とも言える海底ケーブルの正体について、最新情報を交えて初心者の方にもやさしく解説します。

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海底ケーブルとは?

私たちの生活を支える見えないインフラ

海底ケーブルとは、その名の通り海底に敷設された巨大な通信・送電用の線のことです。私たちがスマホで海外の動画を見たり、遠くの発電所で作られた電気を使ったりできるのは、このケーブルが24時間365日、休まず働いているおかげです。

通信用と送電用の2つの役割

海底ケーブルには大きく分けて「通信用」と「送電用」の2種類があります。通信用はインターネットのデータを光の速さで運び、送電用は島から島へ、あるいは国境を越えて電力を運びます。2026年現在は、洋上風力発電の普及に伴い、海で作った電気を陸へ運ぶ「電力用」の需要が世界的に急増しています。

海底ケーブルの歴史と進化

海底ケーブルの歴史は古く、1850年代に英仏間を繋いだ通信線が始まりです。かつては文字を送るのが精一杯でしたが、現代では「光ファイバー」の技術により、一瞬で膨大なデータのやり取りが可能になりました。現在、日本を一周する「デジタル田園都市国家構想」の海底ケーブル網も整備が進んでおり、日本人の誰もがどこにいても便利で快適に暮らせる社会の実現を目指しています。

参考:デジタル田園都市国家構想 公式サイト

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海底ケーブルの仕組み

データの運び屋「通信ケーブル」の構造

通信用ケーブルの核となるのは、髪の毛ほどの細さの「光ファイバー」です。このファイバーを何層もの保護層で覆い、水圧やサメの噛みつき、船の錨(いかり)から守っています。

海底には数千キロという長さで敷設されるため、信号が弱まらないよう、約50〜80kmごとに「中継器(リピーター)」という信号増幅装置が設置されているのが特徴です。

重厚な造りの「送電ケーブル」の構造

一方、送電用(電力)ケーブルは、通信用よりもはるかに太く重厚です。中心には電気を通す銅やアルミニウムの導体があり、その周りを特殊な絶縁体(XLPE:架橋ポリエチレンなど)で厚く包んでいます。2026年現在、北海道と本州を結ぶような長距離送電では、電気が漏れにくい「直流(DC)」による送電方式が主流となっています。

過酷な深海に耐える驚異のコーティング

海底ケーブルは水深数千メートルの高圧や、冷たい海水にさらされます。そのため、外側には鋼鉄のワイヤーによる「外装鉄線」が巻かれ、さらに腐食を防ぐポリエチレンなどで厳重にコーティングされています。浅い海では漁業活動の影響を受けやすいため、さらに頑丈な二重外装が施されることもあります。

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海底ケーブルが存在するメリット

衛星通信を圧倒する圧倒的なスピードと安定性

海底ケーブルの最大のメリットは、通信速度の速さと安定性です。衛星通信は宇宙を経由するため、どうしてもわずかな遅延が発生しますが、海底ケーブルは物理的な光の通り道であるため、遅延が極めて少なく、大容量のデータを一度に送ることができます。

もし海底ケーブルがなければ、現在のオンラインゲームや4K動画の視聴、リアルタイムの金融取引は不可能と言っても過言ではありません。

エネルギーの有効活用と電力網の強靭化

送電用ケーブルがあることで、地域ごとの電力不足を解消できます。例えば、風が強く吹く北海道で作られたクリーンな電気を、消費電力の多い東京へ運ぶことが可能になります。

ケーブルがない状態では、各地域がバラバラに発電所を持つ必要があり、災害時に電力が足りなくなった際、隣の地域から「お裾分け」してもらうことができません。

国際社会との繋がりと経済成長

日本は島国であるため、世界と繋がるには海底ケーブルが不可欠です。2026年現在、日本はアジアとアメリカを繋ぐ「データハブ」としての役割を強めており、多くの海底ケーブルが集まることでIT企業の投資を呼び込み、私たちの経済を支えています。

これがない世界では、日本は「情報の孤島」となり、海外の最新サービスや情報を享受するコストが劇的に上がってしまいます。

海底ケーブルはどこにある?

世界中を網の目のように結ぶルート

海底ケーブルは世界中の海の底に張り巡らされており、その総延長は地球何十周分にも及びます。主に地形が安定している平坦な海底を選んで設置されます。

2026年現在、最新のプロジェクトでは、北極海を経由して欧州とアジアを短距離で結ぶルートなども注目されており、地球規模でのネットワーク構築が進んでいます。

参考情報:Submarine Cable Map(世界の海底ケーブルマップ)

日本国内の主要な陸揚げ地点(ランディングステーション)

海底から上がってきたケーブルが陸に繋がる場所を「陸揚げ地点」と呼びます。日本では、千葉県の南房総、三重県の志摩、茨城県の北茨城などが主要な拠点です。

ここには巨大な通信施設があり、海底からの信号を陸上のネットワークへと変換して私たちのスマホやパソコンに届けています。

日本と世界を繋ぐ最新のライン

日本は現在、米国、韓国、中国、東南アジア諸国と多くのケーブルで繋がっています。

例えば、2026年2月現在には日本・マレーシア・シンガポールを結ぶ大容量ケーブル「I-AMケーブル(Intra-Asia Marine Cable)」の計画も進んでおり、アジア圏の通信をさらに高速化させる拠点となっています。これにより、日本にいながら海外のクラウドサービスをストレスなく利用できるのです。

参考情報:NTTデータグループ 公式サイト

海底ケーブルの設置と維持

巨大な船による精密な「敷設工事」

海底ケーブルの設置には、専用の「ケーブル敷設船」が使われます。船内に巨大な糸巻きのような形でケーブルを積み込み、海図をもとに数週間かけてゆっくりと海底へ降ろしていきます。

浅い海域では、波や船の錨で傷つかないよう、海底を掘ってケーブルを埋める「埋設機(ケーブルプラウ)」というロボットが併用されます。

24時間体制の監視と「保守船」の待機

海底ケーブルは設置して終わりではありません。ケーブルは常に陸上の運用センターから監視されています。信号に異常が出た場合、すぐに場所を特定できる仕組みが整っています。

日本近海には、KDDIやNTTなどが運用する世界最高水準の「保守専用船」が常に待機しており、トラブルが発生した際には荒波の中でも現場へ急行し、修理を行います。

故障箇所を修理する「引き揚げ作業」

海底ケーブルの修理が必要な場合、故障した付近の海底からケーブルをロボットアームやフックで吊り上げ、船の上でつなぎ合わせます。

光ファイバーの接続はミクロン単位の精度が求められるため、船上のクリーンルームで熟練の技術者が手作業で行います。こうした日本の高い維持技術が、私たちの通信環境を守っているのです。

海底ケーブルが切断したらどうなる?

私たちの生活に起きる「デジタル障害」

もし海底ケーブルが切断されると、まず海外サイトへのアクセスが極端に遅くなったり、繋がらなくなったりします。SNSの画像が表示されない、オンライン会議が途切れるといった身近なトラブルが発生します。

さらに深刻なのは金融システムへの影響です。国際送金や株の取引に遅延が生じることで、経済全体に大きな損失が出る可能性があります。

電力供給への影響と停電のリスク

送電用ケーブルが切断された場合、そのケーブルを頼りにしていた地域で電力不足が発生します。

2025年末から2026年初頭にかけて北欧で発生した事案のように、送電網が分断されると、予備の発電所を急いで稼働させる必要があり、最悪の場合は計画停電などの措置が取られる可能性もゼロではありません。

切断を引き起こす主な原因

海底ケーブルが損傷する原因は、主に以下の3点と言われています。

  • 自然災害: 海底地震による地滑りや津波、火山の噴火。
  • 船舶による事故: 漁船の網や大型船の錨(いかり)が引っかかるケースが最も多いとされます。
  • 意図的な損傷の可能性: 近年、地政学的なリスクとして、第三者による意図的な切断も懸念されています。

参考・出典:フィンランド・エストニア間海底ケーブル損傷に関する報道(2026年1月時点の事例など)

※切断原因については各国の捜査当局が調査中

海底ケーブルの切断については、こちらの記事も参考にして下さい。

まとめ

海底ケーブルは、私たちが普段当たり前に使っているインターネットや電力を、目に見えない場所で支え続けている「海中の大動脈」です。

2026年現在、日本は世界屈指の海底ケーブル先進国として、さらに強靭なネットワークを築こうとしています。この記事を通じて、深い海の底にある巨大なインフラの重要性を感じていただければ幸いです。

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