すでにEVを所有している方や、これからEVを購入しようか検討中の方は、自宅にEVの充電器があると便利だなと思ったことがあるでしょう。
しかし高価なものですから、事前に予備知識を得て、十分な検討が必要です。
この記事では、自宅におけるEV充電器の必要性や、EV充電器を設置する方法や費用などを、電気の苦手な方にも分かりやすく解説しています。
EVの充電器とは?
EVの充電器とは、電気を動力とする自動車にエネルギーを補給することができる設備です。
自宅に設置するタイプのEV用充電器は、電気自動車(EV)の他に、プラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)も充電することができます。
ちなみに、ハイブリッド車(HV)はガソリンエンジンで走りながらバッテリーを充電することができるので、停車時に外部から充電する必要はほぼありません。
自宅にEVの充電器は必要か?
結論から言うと、自宅にもEV充電器は設置したほうが良いと言えます。
さまざまな利便性を考えると、設置するメリットは大いにあります。
その理由はいくつかあり、以下の通りです。
充電スポットの減少
実は、全国的には充電スポットの数は減少傾向にあるのです。
ガソリンスタンドやカーディーラーはもちろん、コンビニにも設置されているところがあり、全国のどこへ行ってもEVを充電できる環境が整ってきたのに、なぜでしょう。
以下のグラフは、地図製作会社ゼンリンの統計を元に作られたものです。
このグラフでも分かるように、2021年には明らかに減少していますが、原因は充電設備の老朽化にあります。
EVの充電器の寿命は8年程度と言われており、意外と使用できる年数が短いのです。
ハイブリッド車が流行し始めた頃に設置された多くの充電器が、近年一気に寿命を迎えたために、全国的な統計では減少となったのです。
さらに、外出先で利用しやすい急速充電器の数はまだまだ少ないため、自宅で充電できる環境があればとても便利でしょう。
新車はEVしか購入できなくなる
日本政府は、2035年までに全ての新車の販売をEVに限定することを目標にしています。
近い将来、国産車も輸入車も新車は全てEVしか購入できなくなるのです。
ちなみに、ここで言うEVにはハイブリッド車も含まれています。
2035年までに新車を購入する予定のある方は、併せて充電器の設置も検討してみてはいかがでしょうか。
【追記】海外では年度末に新しい動きがありました。
EUが2023年3月25日に政策を方向転換して、e-fuel使用車のみエンジン車の販売継続を許可すると発表しました。
日本も今後、この流れの影響を受ける可能性があることは念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
e-fuelについては、こちらの記事も参考にして下さい。
災害対策
EV充電器が自宅にあると、災害時に便利です。
大きな災害が起きると、ガソリンスタンドに給油の車の列ができる光景をご覧になった方も多いでしょう。
自宅でEVに充電できるのであれば、災害時に危険を冒して充電ステーションまで移動する必要もありません。
災害時は停電の恐れもありますが、太陽光発電や蓄電池を併用するという方法もあります。
自宅に太陽光発電や蓄電池を設置しておけば、自宅の家電製品だけではなくEV充電器にも電気を送れるので、さらに安心です。
補助金の受給
個人住宅に設置する充電設備にも、補助金が支給される場合があります。
国からの補助金で有名な「充電インフラ補助金」は、マンションやアパートなどの集合住宅には適用されますが、個人住宅には適用されません。
しかし個人住宅の場合は、お住まいの各自治体から補助金を受給できる可能性があるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
例えば、東京都では「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」という取り組みが行われており、助成額は普通充電設備1基あたり25,000円です。
東京都が新築住宅にEV充電器の設置を義務化
2022年12月に、東京都が新築住宅にEV充電器の設置を義務付ける法案を可決しました。
戸建て住宅に設置を義務付けるのは全国で初めてで、2025年4月に施行予定です。
ただし義務付けの対象は住宅の購入者ではなく、住宅メーカーなどの供給業者が対象になります。
EV充電器の設置が義務となる分、住宅の価格に上乗せされる可能性があるかもしれません。
近い将来、東京都内で住宅を新築する予定のある方は念頭に置いておきましょう。
自宅にEVの充電器を設置する際の費用
戸建て住宅にEVの充電器を設置する費用は、おもに以下の通りです。
充電器の費用
EV充電器はおもに3種類あり、費用はそれぞれ異なります。
最も安価な家庭用コンセントタイプの場合は、5,000円から1万円(税込)です。
ただし充電ケーブルは別途必要で、およそ6万円(税込)かかります。
スタンドタイプは安くても10万円以上(税込)かかりますが、駐車スペースが家屋から離れている場合に向いています。
最も高性能なV2H機器は、費用が50万円以上(税込)かかりますが、コンセントタイプやスタンドタイプよりはるかに高速な充電が可能です。
さらに蓄電池として他の家電製品に電気を送ることもできるので、停電などの非常時には大活躍するでしょう。
V2Hには国からの補助金が受けられる可能性がありますが、令和5年の補助金は2月の時点では金額がまだ発表されていません。
ただし各自治体ごとに助成金を支給している場合もあり、例えば東京都では、以下のような助成金を申請することができます。
令和4年度 東京都 V2H助成金のご案内🚗
— 【公式】ぼうしちゃんのつぶやき(クール・ネット東京公式シンボル) (@coolnet_tokyo2) March 6, 2023
対象機器の購入で最大50万円、太陽光発電システムとEV・PHVが揃う場合は増額申請もできます。
申請期限は令和5年3月31日(金)17:00までとなります🙏#ぼうしちゃんのZEV補助金https://t.co/5I0E3LlBd2
詳細は東京都ZEV補助金ガイドにて確認できます。
申請期限は令和5年3月31日(金)17:00までとなっているので、東京都にお住まいでV2Hの導入を検討されている方はぜひ申請しましょう。
設置工事費用
自宅で利用するEV充電器の設置工事費は、一般的に10万円から20万円(税込)程度です。
また、自宅で200Vを使用している方はさらに安く、5万円程度で工事できる場合もあります。
電気料金の加算
EV充電器を設置することによって、自宅の消費電力が増加する場合は、電気契約の変更が必要になる可能性があります。
工事を行う前に、契約中の電力会社に問い合わせておくとよいでしょう。
自宅にEVの充電器を設置する際の手順
EV充電器を設置する手順は、おもに以下の通りです。
- 充電器の選択
- 工事業者に連絡
- 現場調査を受け、設置場所・分電盤からの距離・配線ルートの決定
- 工事業者が訪問し、設置工事の実行
充電器の出力によってはブレーカーが落ちることがあるため、電気契約の変更が必要になる場合があります。
工事は、EV充電器の設置実績が豊富な業者に依頼することをおすすめします。
将来はワイヤレス充電も導入される!?
2023年8月2日に、テスラがドイツのワイヤレス充電会社 Wiferion を買収したことが報道されました。
テスラは世界のEV市場をリードしており、この報道は将来EVにおいてワイヤレス充電が導入される可能性を示しています。
いつ頃導入されるのか等の詳細はまだ不明ですが、今後も注目していきたいところです。
参考:EVANNEX
【まとめ】自宅にEVの充電器があると便利!
自宅にEVの充電器を設置することは、これからの時代を快適に生活していくために不可欠になるでしょう。
太陽光発電や蓄電池を併用すれば、さらに便利で環境に優しい生活が送れるようになります。
自宅のEV充電設備を充実させたい方には、高性能で高額な補助金が受給できるV2Hがおすすめです。
まずはお気軽にお見積もりからいかがでしょうか。