最近、「光電融合(こうでんゆうごう)」という言葉をニュースや科学番組で見かけることが増えてきました。でも、なんとなく難しそうでよく分からない…という人も多いはず。この記事では、そんな「光電融合」について、専門用語をできるだけ使わずに、やさしく解説していきます。
光電融合とは何か

画像引用:NTT技術ジャーナル
光電融合とは、「光」と「電気」を組み合わせて、データをより早く、ムダなく伝える技術のことです。たとえば、今のインターネットやスマホでは、主に電気でデータをやりとりしています。でも、これだとスピードやエネルギー効率に限界があるため、「光」の力も使って、よりすごい通信を実現しようというのが光電融合です。
具体的には、電気信号を光に変えて、それをまた電気に戻す仕組みを使います。これにより、データのやりとりがもっと早く、そして省エネになります。
光電融合の特徴とメリット

画像引用:NTT技術ジャーナル
光電融合のいちばんのメリットは「速さ」と「省エネ」です。電気だけでデータを送ると、どうしても熱が出たりエネルギーがムダになったりします。でも光は、エネルギーのロスがとても少なく、しかもとても速いのです。
また、光電融合技術を使えば、データセンターや5G基地局のようなインターネットを構成する施設の中での信号処理も効率的になります。これにより、大量のデータを短時間で処理できるようになります。
さらに、コンピュータ同士をつなぐ回路も小さくできるので、省スペースで高性能な機械が作れます。
光電融合の将来性

画像引用:NTTテクノクロス
これからの社会では、動画配信・AI・自動運転など、大量のデータを素早く処理する技術がますます重要になります。そのときに役立つのが光電融合です。
すでに「6G(第6世代移動通信)」や「Beyond 5G」などの研究でも、この技術が注目されています。未来の通信インフラには欠かせない存在になると考えられていて、政府や企業も力を入れて開発を進めています。
また、環境にやさしい技術としても期待されており、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出をゼロにする目標)への貢献も期待されています。
カーボンニュートラルについては、こちらの記事も参考にして下さい。
光電融合の開発状況

画像引用:NTTテクノクロス
日本では、NTTや富士通、NECなどの大手企業を中心に、光電融合の研究が進んでいます。NTTは「IOWN(アイオン)」という新しい通信構想の中で、光電融合を重要な技術として位置づけています。
また、大学や研究機関でも、多くの研究チームがこの分野に取り組んでいます。まだ完全に実用化されているわけではありませんが、実験段階のプロトタイプなどはすでに動いており、2030年ごろには広く使われる可能性もあります。
まとめ
光電融合は、「光」と「電気」のいいとこ取りをして、より速く・効率的にデータを伝える技術です。これからの社会で必要になる「速くてムダのない通信」を支える大切な仕組みとして、たくさんの研究が進められています。まだ未来の技術に見えるかもしれませんが、近い将来、私たちの生活にも当たり前のように使われる日が来るかもしれません。