東日本大震災から歳月が流れ、今、再び原子力発電所の再稼働が議論されています。電気代の負担軽減や安定供給というメリットを感じつつも、やはり「万が一の事故」への不安は拭えないものですよね。日々の暮らしや将来のエネルギー問題、そして何より「家族の安全」について真剣に考えていらっしゃる皆さまは多いでしょう。
この記事では、2026年1月現在の最新事実に基づき、原発の危険性と安全対策の「今」を、専門用語を噛み砕いてやさしくお伝えします。
原発の再稼働は危険?
結論から言うと、原発にはゼロにはできないリスクが存在します。
原発に関しては、どれほど対策を講じても、自然災害や人的ミスといった不確実な要素を完全に取り除くことは不可能です。特に、小さな子供を持つ親にとって、放射能による健康への影響や、生活基盤が失われることへの懸念は非常に深刻なものです。
巨大地震や津波への懸念
日本は世界有数の地震国であり、南海トラフ地震や首都直下地震など、想定を超える揺れや津波がいつ発生してもおかしくありません。過去の事故では、電源の喪失が重大な事態を招いたため、自然災害への耐性は今もなお最大の議論の的となっています。
設備の老朽化と人的ミス
稼働から数十年が経過した「老朽原発」では、金属疲労や配管の劣化など、目に見えにくいリスクが蓄積しています。また、どれほどシステムが高度化しても、それを運用する「人」による判断ミスや操作ミスを完全に防ぐことは、2026年1月に再稼働後すぐに停止された柏崎刈羽原発の事例を見ても容易ではないことが分かります。
避難計画の実効性
万が一の事態が起きた際、家族を連れて安全に避難できるのかという点も大きな不安要素です。道路の寸断や渋滞、避難所の受け入れ態勢など、机上の計画が実際の混乱時に機能するかという疑問は、多くの地域住民が抱いています。
原発の再稼働は必要?
結論から言うと、エネルギー自給率の向上と経済性の観点から、再稼働が必要とされているのが現状です。
日本はエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、国際情勢の不安定化による電気料金の高騰は、家計に大きな打撃を与えています。原発は一度稼働すれば安定して大量の電力を供給できるため、経済を支える柱として期待されています。
再稼働による経済的・環境的メリット
最大のメリットは、火力発電に依存する分を減らせるため、電気代の抑制とCO2排出量の削減(脱炭素)が期待できる点です。資源エネルギー庁の試算でも、原発の活用は日本のエネルギー安定供給と環境保護を両立させる現実的な手段の一つと位置付けられています。国民の生活や国内経済を支えるためには、安定して電力を供給できるベース電源は必ず必要です。
放射性廃棄物という避けられないデメリット
一方で、大きなデメリットは「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の処分問題です。最終処分場が決まっていない現状では、将来世代に負の遺産を先送りしているという批判は免れません。また、事故時の損害賠償や廃炉費用の不透明さもリスクとして挙げられます。
国内の原発の現況は?
結論から言うと、現在、国内では九州、四国、関西、東北の各電力会社で再稼働が進んでいます。
2011年の事故以降、世界で最も厳しいとされる「新規制基準」をクリアした原発のみが順次稼働を再開しています。2026年現在、これまで動かなかった東日本の原発でも再稼働に向けた動きが本格化しています。
すでに再稼働した原発
これまでに、九州電力の川内原発(鹿児島)や玄海原発(佐賀)、関西電力の高浜・大飯・美浜原発(福井)、四国電力の伊方原発(愛媛)などが稼働しています。また、2024年末から2025年にかけて、東北電力の女川原発(宮城)や中国電力の島根原発(島根)も再稼働のステップを進めています。
再稼働が予定されている原発
東京電力の柏崎刈羽原発(新潟)や日本原子力発電の東海第二原発(茨城)などが、安全対策工事や地元同意、規制委員会の審査を経て、再稼働を目指しています。特に東日本に位置するこれらの原発が稼働すれば、首都圏の電力不足解消に寄与するとされていますが、審査や工事の遅延も続いています。
原発の事故防止対策は?
福島第一原発事故の教訓から、現在は「多重の防御」という強力な安全対策が施されています。
「止める」「冷やす」「閉じ込める」という基本機能に加え、たとえ電源がすべて失われても炉心を冷却し続けるための設備が義務付けられました。
特重施設とフィルター付ベントの設置
テロ攻撃や航空機の衝突などを想定した「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の設置が進んでいます。また、原子炉建屋内の圧力が上がった際に、放射性物質を99.9%以上除去して蒸気を逃がす「フィルター付ベント」の導入により、建屋の破損を極限まで防ぐ仕組みが整えられました。
重層的な電源確保と防潮堤
地震や津波に備え、海抜数十メートルに及ぶ強固な防潮堤の建設が進みました。さらに、電源車や大容量ポンプ車を高い場所に分散配置し、予備の電源と冷却水を何重にも確保することで、たとえ一つが故障しても次の一手がある状態を作り出しています。
柏崎刈羽原発がわずか1日で稼働停止?
2026年1月の柏崎刈羽原発6号機の停止は、徹底した「安全優先」の結果です。
14年ぶりに再起動し、臨界(核分裂の継続)に達したわずか数時間後、制御棒の操作中に警報が作動しました。東京電力は、建設当時からの設定ミス(88箇所)が判明していた経緯もあり、不具合の原因を徹底究明するため、即座に原子炉を停止させる判断を下しました。
出典:朝日新聞
停止の理由と社会への影響
直接の原因は、制御棒を引き抜く際の電気部品や警報システムに関する不具合でした。外部への放射能の影響はなく、安全装置が正常に機能して停止に至ったことは一つの成果と言えます。しかし、再稼働への不信感を拭い去るためには、古い設計と最新の基準との乖離をどう埋めるか、より慎重な姿勢が求められています。
将来望まれる原発のスタイル
この事例を踏まえると、今後は「古くなった巨大な原発」を使い続けるだけでなく、次世代型原子炉(SMR:小型モジュール炉)などへの移行が望ましいでしょう。SMRは構造がシンプルで事故時に自然に冷える仕組みを持っており、万が一の被害範囲も限定的です。これからの原発は、効率よりも「地域との共生」と「物理的な安全性」を最優先したスタイルへ進化していく必要があります。
将来の原発については、こちらの記事も参考にして下さい。
まとめ
原発の再稼働は、私たちの生活を支える経済性と、家族を守る安全性の板挟みになっています。最新の安全対策は飛躍的に向上していますが、柏崎刈羽の事例が示す通り、人的なミスや古い設備のリスクはゼロではありません。大切なのは、国や事業者が情報を透明化し、私たち親世代が納得できるまで対話を重ね、将来の「より安全な選択肢」へ歩みを止めてはいけないということです。
参考リンク:


