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ソーラーシェアリングは個人でもできる?初心者の方にも分かりやすく解説

ソーラーシェアリングは個人でもできる?初心者の方にも分かりやすく解説 太陽光発電
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近年、脱炭素社会への関心が高まる中で、農業と発電を両立させるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が注目を集めています。農地を有効活用しつつ、売電収入や自家消費によって家計や営農を支えるこの仕組みは、実は個人農家の方でも取り組むことが可能です。

本記事では、個人でのソーラーシェアリングの始め方を、最新の制度に基づいて初心者の方にも分かりやすく解説します。

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ソーラーシェアリングとは

ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立て、上部空間に太陽光パネルを設置して農業と発電を同時に行う仕組みのことです。

農地は本来、作物を育てるための場所ですが、太陽光には光飽和点という、それ以上浴びても光合成の速度が上がらない限界点があります。ソーラーシェアリングはこの余剰な太陽光を発電に回すという画期的なアイデアに基づいています。農林水産省ではこれを営農型太陽光発電と呼び、農地の有効活用策として推進しています。

例えば、パネルの間隔を空けて配置することで、下部の農地には十分な日照を確保しつつ、上部ではクリーンなエネルギーを生み出します。このように、一つの土地から農作物電気という2つの収益を得られるのが最大の特徴です。2024年以降、地域のエネルギー自給率向上や耕作放棄地の再生手段としても、その価値が再評価されています。

つまり、ソーラーシェアリングは「農業の継続」を前提とした、持続可能な新しい農業経営のスタイルなのです。

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ソーラーシェアリングは個人でもできる?

結論から言うと、個人の方でもソーラーシェアリングを始めることは十分に可能です。

ただし、通常の太陽光発電とは異なり、農地法に基づく特別な手続きが必要になります。本来、農地には建物を建てることが制限されていますが、ソーラーシェアリングの場合は、支柱を立てる部分の農地を一時的に別の目的で使用する一時転用許可を受けることで設置が可能になります。

この許可を得るためには、下部の農地で適切に農業を継続することが絶対条件です。以前は3年ごとの更新が原則でしたが、現在は「担い手(認定農業者など)」が営農する場合や、荒廃農地を再生する場合などは、最長10年の一時転用期間が認められるようになり、個人農家にとっても事業の見通しが立てやすくなっています。

したがって、しっかりとした営農計画があれば、個人であっても農地を活かした発電事業に挑戦できる環境が整っています。

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ソーラーシェアリングのメリット

ソーラーシェアリングの最大のメリットは、農業収入に加えて「安定した売電収入」または「電気代の削減」が得られることです。

農業は天候や市場価格の変動により収入が不安定になりがちですが、太陽光発電による収入は比較的予測がしやすく、経営の安定化に大きく寄与します。また、自家消費型のシステムを導入すれば、農業用機械の充電やビニールハウスの温度管理にかかる電気代を抑えることも可能です。

さらに、副次的なメリットとして作業環境の改善も挙げられます。夏の猛暑の中での農作業において、頭上のパネルが適度な日陰(遮光)を作るため、熱中症のリスクを軽減し、農作業の負担を和らげてくれます。ブルーベリーや茶、キノコ類など、種類によっては直射日光を適度に遮ることで品質が向上する作物もあり、作物の選定次第で農業そのものの付加価値を高めることもできます。

このように、経済的な安定と労働環境の向上の両面で、個人農家にとって大きな恩恵があります。

ソーラーシェアリングの課題

ソーラーシェアリングには魅力が多い反面、設置コストや継続的な営農管理といった課題も存在します。

まず、通常の地上設置型太陽光発電に比べて、農作業用の空間(高さ)を確保するために支柱を高く、強固にする必要があり、建設費用が割高になる傾向があります。個人で導入する際には、初期投資の回収計画を慎重に立てなければなりません。

また、最も重要な課題は営農の継続義務です。万が一、下部の農地での収穫量が著しく減少したり、耕作が放棄されたりした場合には、一時転用許可が取り消され、設備の撤去を命じられるリスクがあります。かつては周辺平均の8割以上の収量という厳しい基準がありましたが、現在は規制緩和が進み、適切な営農が行われていれば柔軟に判断されるようになっています。それでも、毎年の営農状況報告など、行政への事務手続きが発生する点は理解しておく必要があります。

つまり、単なる「売電目的」ではなく、あくまで「農業を主役」として取り組む姿勢が成功の鍵となります。

ソーラーシェアリングの手順

個人でソーラーシェアリングを始めるための具体的なステップを解説します。

1. 事前相談と計画策定

まずは地域の農業委員会へ相談に行きましょう。その土地で一時転用が可能かどうかを確認し、同時にどの作物を育てるか、パネルの遮光率をどうするかといった営農計画を立てます。

2. 設備設計と見積もり

施工業者を選定し、農作業車が通れる高さ(一般的に2〜4m程度)を確保した架台の設計を行います。個人向けの実績が豊富な業者を選ぶのが安心です。

3. 各種申請手続き

最も重要なプロセスです。以下の2つの大きな申請を並行して行います。

  • 農地一時転用許可申請: 農業委員会を通じて都道府県知事などへ申請します。
  • 事業計画認定申請(FIT/FIP): 経済産業省へ売電のための認定を申請します。

4. 系統連系協議と工事

電力会社と配電線の接続について協議し、承諾が得られたら着工します。支柱の基礎工事を行い、パネルやパワーコンディショナを設置します。

5. 運用開始と報告

発電開始後は、毎年一度、農業委員会へ営農状況報告書を提出します。作物の生育状況や収穫量を記録し、適切に農業が行われていることを証明します。

ソーラーシェアリングの事例

国内では、個人の知恵と工夫で成功しているソーラーシェアリングの事例が数多く報告されています。

例えば、千葉県匝瑳市(そうさし)では、地域一丸となってソーラーシェアリングに取り組み、耕作放棄地を美しい農地へと再生させた事例が有名です。ここでは大豆や麦が栽培されており、売電収入が地域の農業支援に役立てられています。

また、個人レベルではブルーベリーの観光農園との相性が抜群です。パネルが作る日陰が、夏場の来園客にとって快適な休憩スペースとなり、滞在時間の延長や満足度向上につながっています。他にも、日陰を好むサカキシキミといった神事用の植物を栽培し、安定した販路を確保しながら発電を行う農家も増えています。

これらの事例に共通しているのは、自分の農地の特性と、育てる作物の相性をしっかり見極めている点です。最新の技術では、パネルを垂直に立ててトラクターの走行を邪魔しないタイプなど、選択肢も広がっています。

ソーラーシェアリングの導入事例については、こちらの記事も参考にして下さい。

まとめ

ソーラーシェアリングは、適切な計画と手続きを踏めば、個人でも十分に実現可能な攻めの農業の手段です。初期コストや営農報告といった課題はありますが、売電収入による経営の安定や作業環境の改善など、それを上回るメリットがあります。まずは地域の農業委員会への相談から、第一歩を踏み出してみませんか。

参考リンク

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