マイクロ水力発電を企業や団体で設置したいという希望をお持ちの方もいるでしょう。しかし、まだ設置できる業者や実例が少ないため、情報が少なくて導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業や団体でマイクロ水力発電を設置する場合におすすめできる業者を5社紹介しています。マイクロ水力発電に興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
マイクロ水力発電とは？
マイクロ水力発電とは、小水力発電の中でも特に規模が小さいもののことです。
小水力発電も含めて、国際基準のような厳密な定義はありませんが、通称としてある程度の基準があるので、簡単に説明します。
小水力発電の定義
小水力発電とは、一般的に発電能力が数百kW～数MWの水力発電のことです。しかし国や地域によって基準は少し異なります。日本での小水力発電の定義は、発電容量が1,000kW（1MW）以下の水力発電です。小水力発電は、既存の水路や小川を利用するため、大規模なダム建設を必要としないので、比較的環境への影響が少ないです。
マイクロ水力発電の定義
マイクロ水力発電とは、一般的に発電容量が数kW～100kW程度までのものです。個々の家庭や小規模な集落、遠隔地域の電力供給に適しています。設備が簡素なため、設置コストが低く抑えられる点が長所です。多くは、小さな川や水の流れを利用して発電します。
それでは早速、企業や団体でマイクロ水力発電を設置する場合におすすめできる業者5社を紹介しましょう。
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株式会社荏原電産
引用：株式会社荏原電産
株式会社荏原電産は、再生可能エネルギーや環境関連事業を展開する企業です。同社が提供するマイクロ水力発電は、小規模な水流を活用して発電を行うシステムで、既存の水路や配管を利用することで環境負荷を軽減します。
ダムや大規模な設備を必要とせず、農業用水路や上下水道、工業用水系統など幅広い場所で導入可能です。設置や運用が簡易で、小規模事業者や自治体向けに適した持続可能なエネルギーソリューションとして注目されています。
1.概要
- 小規模な水流を活用して電力を生み出す再生可能エネルギーシステムです。
- 既存の水路や配管を利用し、環境への負荷を最小限に抑えるように設計されています。
- 農業用水路や上下水道施設、工業用水系統などに適用可能です。
2.発電原理
- 実績のある汎用ポンプを逆転させた水車を使用しており、従来型の小水力発電用水車と同等の効率を実現。工場での性能試験を経て、高い信頼性を確保しています。
- 開水路用には塵芥が詰まりにくいオープン羽根車型水車、管路用には高効率な両吸込型渦巻ポンプ逆転水車を採用。様々な水利条件に対応可能です。
- 落差変動には可変速型発電機を、流量変動には水車台数制御を適用することで、導入場所の条件に合わせた最適な発電効率を実現しています。
3.こんな方におすすめ
- 地域密着型の再生可能エネルギーの普及促進を目指したい方
- 化石燃料への依存を減らし、環境負荷の軽減を目指したい方
- 小規模事業者や地方自治体で、エネルギー自給自足や非常用電源の確保を目指したい方
4.実例
- 岩手県普代村の普代ダム発電所において、農業用ダムの維持管理放流水を利用した発電を行っています。
- 島根県松江市の忌部浄水場小水力発電所および乃白ポンプ場小水力発電所にて、浄水施設やポンプ場の水流を活用した発電を実施しています。
- 岐阜県郡上市の気良布平清流発電所において、農業用水路の水流を利用した発電を行っています。
株式会社荏原電産の会社概要
| 会社名 | 株式会社荏原電産 |
| 本社所在地 | 〒144-0042東京都大田区羽田旭町11-1 |
| 電話番号 | 03-3743-6622 |
| 設立 | 1958年11月 |
| 公式サイトURL | https://www.ebd.co.jp/ |
引用：株式会社荏原電産
シーベル株式会社
引用：シーベル株式会社
シーベル株式会社は、東京都千代田区に本社を構え、再生可能エネルギー分野での技術開発やコンサルティングを行う企業です。
同社の主力製品である「ストリーム」は、超低落差型の流水式マイクロ水力発電システムで、農業用水路や排水路など、従来は活用が難しかった場所でも設置が可能です。
このシステムは、垂直二軸型水車構造を採用し、流水のエネルギーを効率的に電力に変換します。設置に際して大規模な工事を必要とせず、低コストで短期間の導入が可能です。
1.概要
- 従来の水力発電では利用が難しかった低落差の水路でも設置可能なシステムです。
- 独自の垂直二軸型水車を採用し、流水のエネルギーを効率的に電力に変換します。
- 水路の条件に応じて、0.4kWから44kWまでの発電量を基本パッケージとして提供しています。
2.発電原理
- 農業用水路、排水路などの超低落差水力エネルギーに特化した超低落差型流水式マイクロ水力発電システム「ストリーム」を開発しました。
- 流量調整扇形ゲート付きの垂直二軸クロスフロー水車により、超低落差の水路でも効率的な発電が可能です。
- 本来の水路の必要能力を阻害することなく発電でき、ゴミなども通過させやすいため、機器の稼働率が高いです。
3.こんな方におすすめ
- 農業用水路や排水路など、これまで活用されていなかった水の流れを活かして発電したい方
- できるだけ低コストでマイクロ水力発電を設置し、再生可能エネルギーの普及を進めたい方
- 地元の資源を活用した発電により、地域の活性化や新たな産業の創出を目指したい方
4.実例
- 山形県・福島県・長野県などの農業用水路に小水力発電を設置し、未利用の水エネルギーを活用して数kW～数十kWの電力を発電しています。
- 神奈川県の民間工場の排水路に出力約1.2kWの小水力発電を設置し、再生可能エネルギーを利用した省エネ・節電を実現しています。
- 北海道夕張市発電所取水堰に最大出力20kWの小水力発電を設置し、電力を供給しています。
シーベル株式会社の会社概要
| 会社名 | シーベル株式会社 |
| 本社所在地 | 〒102-0073東京都千代田区九段北1-14-16PILE KUDAN 402 |
| 電話番号 | 03-5860-2408 |
| 設立 | 2023年2月 |
| 公式サイトURL | https://www.seabell.jp/ |
引用：シーベル株式会社
東京発電株式会社
引用：東京発電株式会社
東京発電株式会社は、1928年に設立された水力発電の専門企業で、約1世紀にわたり水力発電に関する技術とノウハウを蓄積してきました。
同社のマイクロ水力発電事業「Aqua μ（アクアミュー）」は、上下水道施設や農業用水路など、未利用の水資源を活用して発電を行うシステムです。
この事業では、発電所の建設から運転・保守、事業運営までを一貫して提供し、環境に優しいクリーンエネルギーの普及に貢献しています。
1.概要
- 上下水道や農業用水、工業用水などの既存インフラに潜在する未利用の水エネルギーを活用して発電を行うシステムです。
- 既設設備を活用することで、新たな構造物の建設を最小限に抑え、環境への負荷を低減します。
- 水資源を持つ自治体や企業と共同で事業を推進し、発電所の建設から運転・保守までを一貫して提供します。
2.発電原理
- 上下水道や農業用水路などの水流の位置エネルギーを利用し、タービンを回転させて発電します。
- 既存の水路や配管に発電設備を設置することで、効率的なエネルギー回収を実現します。
- 小規模な発電設備を分散的に配置し、地域のエネルギー需要に応じた電力供給を行います。
3.こんな方におすすめ
- 水資源を有効活用したい自治体・企業
未利用の水エネルギーを活用して、地域のエネルギー自給率向上や環境貢献を目指す自治体や企業に適しています。 - 環境負荷を低減したい事業者
クリーンエネルギーの導入を検討し、CO₂排出削減やSDGs達成を目指す事業者に適しています。 - コスト効率を重視する組織
既存インフラを活用することで、初期投資や運用コストを抑えたい組織に適しています。
4.実例
- 東京都大田区の森ケ崎水再生センター内に設置された水力発電所では、最終処理された水を利用して年間約820MWhの電力を生産しています。
- 福島市の北部配水池内に設置されたふくしま北部配水池発電所では、浄水場から送られる水の流量と圧力を利用して年間約730MWhの電力を発電しています。
- 川崎市の平間配水所内に設置された平間発電所は、配水所の更新工事に合わせて水力発電所が設置され、年間約860MWhの電力を生産しています。
東京発電株式会社の会社概要
| 会社名 | 東京発電株式会社 |
| 本社所在地 | 〒110-0008東京都台東区池之端1丁目2番18号NDK池之端ビル3階 |
| 電話番号 | 03-6371-5200 |
| 設立 | 1928年7月23日 |
| 公式サイトURL | https://tokyohatsuden.co.jp/ |
参照：東京発電株式会社
田中水力株式会社
引用：田中水力株式会社
田中水力株式会社は、1932年に創業し、小水力発電設備の設計・製造・設置・修理を一貫して手掛けるリーディングカンパニーです。
同社は、渦巻フランシス水車・円筒型フランシス水車・クロスフロー水車・ターゴ水車・ペルトン水車など、多様な水車を提供しています。
これらの製品は、設置場所や条件に応じてカスタム設計され、効率的な発電を実現します。
1.概要
- 1932年創業以来、小水力発電の専門企業として小水力発電設備の設計・製造・設置・保守を一貫して手掛けるリーディングカンパニーです。
- 渦巻フランシス水車・クロスフロー水車・ペルトン水車など、設置条件に応じた幅広い水車ラインナップを提供しています。
- 地域密着型の再生可能エネルギーソリューションを提供する企業として、未利用水資源を活用し、地域の電力需要を支えるクリーンエネルギー導入を推進します。
2.発電原理
- 水の落差や流速を利用し、水車を回転させて発電機を駆動します。
- フランシス水車やペルトン水車など、設置条件に適した水車を選定し、水車の種類に応じた効率的なエネルギー変換を実現します。
- 各設置場所の特性に合わせて水車を設計・製造し、最大の発電効率を追求します。
3.こんな方におすすめ
- 農業用水路や上下水道など、未利用の水資源を活用して再生可能エネルギーを導入したい方。
- クリーンエネルギーの導入を通じて、CO₂排出削減やSDGs達成など環境負荷の低減を目指したい方。
- 地産地消のエネルギー供給を実現し、地域のエネルギー自給率を向上させ地域活性化を図りたい方。
4.実例
- 農業用水路の流れを利用し、地域の電力需要を賄う小水力発電設備を設置しています。
- 上下水道の流入・流出時の水流を活用し、施設内の電力消費を補うシステムを構築しています。
- 工場内の冷却水や排水を再利用し、工場内の電力供給に貢献する発電設備を導入しています。
田中水力株式会社の会社概要
| 会社名 | 田中水力株式会社 |
| 本社所在地 | 〒243-0127神奈川県厚木市森の里紅葉台4-4 |
| 電話番号 | 046-281-9801 |
| 創業 | 1932年7月7日 |
| 公式サイトURL | https://www.tanakahydro.jp/ |
参照：田中水力株式会社
株式会社DK-Power
引用：株式会社DK-Power
株式会社DK-Powerは、2017年にダイキン工業株式会社から生まれた発電会社で、主にマイクロ水力発電システムの開発・設置・運用を手掛けています。
同社のマイクロ水力発電システムは、水道管内の未利用エネルギーを活用し、環境負荷の少ない分散型電源として注目されています。
このシステムは、既存の水道施設に設置可能で、大規模な工事を必要とせず、導入コストの削減と設置面積の縮小を実現しています。
1.概要
- 水道管内の水流から小規模な電力を生み出すシステムを提供しています。
- 環境負荷の少ない分散型電源として注目されています。
- DK-Powerはダイキン工業から生まれた発電会社です。
2.発電原理
- 水道管内を流れる水の運動エネルギーを利用して発電します。
- 水道管内に小型のタービンを設置し、水流でタービンを回転させます。
- タービンの回転運動を発電機で電力に変換します。
3.こんな方におすすめ
- 既存の水道インフラを活用して、未利用エネルギーから電力を得たい水道事業者の方。
- 環境負荷の少ない再生可能エネルギーを導入し、地域のエネルギー自給率を高めたい自治体の方。
- CSR（企業の社会的責任）活動の一環として、クリーンエネルギーの導入を検討している企業の方。
4.実例
株式会社DK-Powerの公式サイトでは具体的な実例は公開されていませんが、水道施設で活用されていることが予想されます。
株式会社DK-Powerの会社概要
| 会社名 | 株式会社DK-Power |
| 本社所在地 | 〒564-0062大阪府吹田市垂水町 3-21-10ダイキン工業江坂ビル |
| 電話番号 | 06-6378-8733 |
| 設立 | 2017年6月7日 |
| 公式サイトURL | https://www.dk-power.co.jp/ |
参照：株式会社DK-Power
【まとめ】マイクロ水力発電は企業や団体で活用できます！
マイクロ水力発電は企業や団体で活用できる余地が大いにあることがお分かりいただけたと思います。企業や団体で所有している水流があれば、構造的にもシンプルなマイクロ水力発電機を設置するだけで水資源を有効活用できます。
マイクロ水力発電を企業や団体で設置すれば、発電した電力を蓄電池に貯めておくことも有効です。災害時の非常用電源としても使用できるので、蓄電池はこれからの時代になくてはならないものとなるでしょう。
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