再生可能エネルギー太陽光発電

発電ガラスとは?初めて聞く方にも仕組みを分かりやすく解説

発電ガラスとは再生可能エネルギー
※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています

発電できるガラスがあるということをご存知でしょうか?

カーボンニュートラルの実現に向けて、日々さまざまな新しい技術が導入されていますが、そのうちの1つが発電ガラスです。

この記事では、「発電ガラスとは何か」ということから仕組みやメリットまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

スポンサーリンク

発電ガラスとは?

発電ガラスとは、太陽光によって発電できるシステムを備えたガラスです。

一般的な窓ガラスや天井ガラスと同じように配置されながら、太陽光を浴びることによって発電もできるという優れモノです。

まだ都市部のごく一部にしか採用されていませんが、今後の普及が期待されています。

スポンサーリンク

発電ガラスの仕組みと種類

発電ガラスには、おもに次のような種類があります。

  • 合わせガラス型
  • ガラス一体型
  • コーティング型
  • フィルム型

以下で、それぞれの仕組みを説明します。

合わせガラス型

合わせガラスの中間層に太陽光発電セルを挟み込むタイプです。

一般的な合わせガラスと同じように2枚のガラスを重ね、窓ガラスとしても天井ガラスとしても使用できます。

ただし中間層に挟まれた太陽光発電セルが視界を遮るため、通常の窓ガラスのような視認性がないことがデメリットです。

ガラス一体型

合わせガラスの両面にストライプ上の太陽電池を組み込んだ形で、視界が遮られないため、一般的な窓ガラスと同じような視認性があります。

また、視認性はないものの、より発電効率の高いタイプもあるので、配置場所に合わせて選択することができます。

コーティング型

コーティング型は、太陽光に含まれる紫外線によって発電できる特殊なコーティングをガラスに施したタイプです。

目に見えないほど細かい配線が施されているため透明度が高いので、一般的な窓ガラスと同じような視認性が確保できます。

フィルム型

フィルム型は、太陽電池を組み込んだフィルムを窓ガラスなどに配置することによって発電するタイプです。

フィルム状なため、自由に折り曲げられることが特徴で、窓ガラスに限らずさまざまな用途に適しています。

フィルム型は、東芝エネルギーシステムズの「ペロブスカイト太陽電池」が代表的です。

ペロブスカイト太陽電池

引用:東芝エネルギーシステムズ

ペロブスカイト太陽電池については、こちらの記事も参考にして下さい。

スポンサーリンク

発電ガラスのメリット

発電ガラスには先述のようにいくつかの種類がありますが、いずれも次のようなメリットがあります。

屋上以外でも発電できる

従来のビルなどでは屋上に太陽光発電システムを設置することしかできませんでしたが、発電ガラスを利用すれば、窓ガラスや壁面でも発電することができます。

特に都市部のビルは、階層の高さに比べて屋上部分が小さいため、屋上部分の太陽光発電システムだけでは需要に見合った発電ができませんでした。

屋上に比べてはるかに広い面積がある窓や壁面に発電ガラスを採用することにより、自家消費できる電力の割合が増えるので、電気料金の節約にもつながります。

採光性を確保できる

発電ガラスは採光性が確保されているので、通常の窓ガラスと同じように室内で明るさを感じることができます。

ただし発電ガラスのタイプによって採光性が異なるので、配置する場所によってどの程度の採光性が求められるかを考慮し、採用する発電ガラスを決めるとよいでしょう。

デザイン性に優れている

発電ガラスは、ビルの外観を大きく損なうような目立つ設備ではないので、デザイン性に優れていることもメリットです。

透明度の高い発電ガラスならば、採光性と視認性が保たれているので、室内からの眺望も楽しめるなど快適さも問題ありません。

非常用電源として利用できる

発電ガラスは一般的な太陽光発電システムと同じで、停電時でも太陽光さえあれば発電できるため、非常用電源としても利用できます。

雨天時や夜間には発電できませんが、蓄電池を併設しておけば余った電力を貯めておけるので、より災害対策として有効でしょう。

発電ガラスの導入例

発電ガラスの導入例を2つご紹介します。

小倉駅(福岡県北九州市)

JR小倉駅の小倉城口にあるペデストリアンデッキ(高架型の歩道)には、AGC硝子建材株式会社による「サンジュール」が設置されています。

サンジュールはこの他にも、高輪ゲートウェイ駅や市原サービスエリアなどにも設置されており、高い採光性とデザイン性が好評です。

小倉駅

引用:AGC硝子建材

開成学園(東京都荒川区)

国内トップクラスの進学校・開成学園は、2021年に完成した高等学校の新校舎の窓ガラスに発電ガラスを採用しています。

設置される発電ガラスは、大成建設とカネカの共同開発による「T-Green Multi Solar」で、現在も設置作業が行われており、2024年に全ての設置が完了する予定です。

開成学園

引用:大成建設

まとめ

発電ガラスの導入は、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて効果的な方法になると期待されています。

特に高層ビルが建ち並ぶ都市部において、多くの窓が発電ガラスに入れ替わることは、決して軽視できないほどの発電力を秘めています。

発電ガラスの普及が進めば将来的には価格が低下し、個人住宅でも一般的に利用できるようになり、ますます太陽光発電の効率が向上するでしょう。

太陽光発電の基礎知識を知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

スポンサーリンク
よろしければフォローお願いします
「らいと」の電力寺子屋
タイトルとURLをコピーしました