太陽光発電

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の実例を紹介

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の実例を紹介 太陽光発電
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ソーラーシェアリングは農業と太陽光発電を両立できるため、近年国内各地で導入されています。しかし、実際に導入したくても方法が分からず、まずは実例を知りたいという方も多いでしょう。この記事では国内各地のソーラーシェアリングの実例を紹介していますので、実際に導入をお考えの方は参考にして下さい。

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  1. 日本のソーラーシェアリング導入状況
  2. 酪農学園大学ほ場の垂直式太陽光発電設備
    1. 酪農学園大学ほ場の垂直式太陽光発電設備の概要
  3. AWファーム千歳太陽光設備設置事業
    1. AWファーム千歳太陽光設備設置事業の概要
  4. 株式会社サンフレッシュ小泉農園のトマト栽培施設
    1. 株式会社サンフレッシュ小泉農園のトマト栽培施設の概要
  5. みんエネ21号機・22号機
    1. みんエネ21号機、22号機の概要
  6. 千葉商科大学ソーラーシェアリング実験施設(1号機)
    1. 千葉商科大学ソーラーシェアリング実験施設(1号機)の概要
  7. さがみこベリーガーデン
    1. さがみこベリーガーデンの概要
  8. 株式会社ダイバーシティーズ太陽光発電設備
    1. 株式会社ダイバーシティーズ太陽光発電設備の概要
  9. 株式会社流通サービスの茶畑
    1. 株式会社流通サービスの茶畑の概要
  10. 株式会社エコスマイル
    1. 株式会社エコスマイルの概要
  11. 個人農家による追尾式太陽光発電の導入事例
    1. 個人農家による追尾式太陽光発電の概要
  12. 福井農園のソーラーシェアリング
    1. 福井農園のソーラーシェアリングの概要
  13. 株式会社讃岐の田んぼのソーラーシェアリング
    1. 株式会社讃岐の田んぼのソーラーシェアリングの概要
  14. 株式会社トペコおばらのソーラーシェアリング
    1. 株式会社トペコおばらのソーラーシェアリングの概要
  15. ハウステンボス株式会社のソーラーシェアリング
    1. ハウステンボス株式会社のソーラーシェアリングの概要
  16. まとめ

日本のソーラーシェアリング導入状況

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は、農地に太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電を両立させる仕組みです。日本では2013年に農地への設置が制度的に認められ、全国で導入が進んでいます。

2023年時点で、国内のソーラーシェアリングの導入事例は4,000件を超え、発電容量も増加しています。 導入地域としては千葉県・静岡県・長野県・宮崎県などが多く、特に日照条件の良い地域での普及が進んでいます。

ソーラーシェアリングの基礎知識が知りたい方は、以下の記事も参考にして下さい。

それでは早速、全国各地のソーラーシェアリング導入事例を見てみましょう。

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酪農学園大学ほ場の垂直式太陽光発電設備

酪農学園大学ほ場の垂直式太陽光発電設備

引用:酪農学園大学

酪農学園大学は、自然電力株式会社・北海道自然電力株式会社と協力して、大学の敷地にある「ほ場」に垂直型の太陽光発電設備を設置しました。

酪農の経営は、近年とても厳しい状況にあります。牛乳の価格はあまり変わらないまま、乳牛のエサ代や電気・水道代などがどんどん高くなってきているからです。そんな中、同大学は自然電力株式会社から「牧草を育てながらエネルギーも一定量の自給ができる」という提案を受けました。このアイデアが最新酪農にぴったりだと考えた同大学は、まず実験を始めることにしました。担当の教授は、「冬の間は何も生産できなかった土地でエネルギーを作れるようになるのは、酪農にとって大きな変化になる」と話しています。

さらに、垂直式の太陽光パネルには特別なメリットがあります。 冬になると地面に雪が積もりますが、その雪が太陽の光を反射し、パネルに当たることで発電量が増えます。 実際に、積雪時には一般的な床に設置された太陽光発電と比較しても、多くの電気を作ることができると確認されています。

酪農学園大学ほ場の垂直式太陽光発電設備の概要

発電事業者名自然電力株式会社
所在地北海道江別市文京台緑町
営農産物牧草
運転開始2023年12月
発電出力DC 79.36kWp / AC 40kW
公式サイトURLhttps://www.rakuno.ac.jp/archives/31169.html

参考:酪農学園大学

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AWファーム千歳太陽光設備設置事業

AWファーム千歳太陽光設備設置事業

引用:AWファーム千歳

北海道では冬に雪が積もるため、農業と太陽光発電を両立することが難しいと考えられていました。しかし、設置の方法によっては活用できるのではないかと考えたことが導入のきっかけです。同社は、所有している敷地の周辺にパネルを設置し、発電した電気を自社の野菜加工工場で使う計画を立てました。また、国の補助金を活用することで、コストを抑えながら事業を進めることができました。

工夫したポイントは3つあります。まず、太陽光パネルの上に雪が積もらないようにするため、パネルを垂直に設置しました。 さらに、作業車がスムーズに通るように入り口を確保し、農作業に影響が出ないようにしてあります。 また、電気の使い道に合わせて、農地の外周に沿って太陽光パネルをL字型に配置しました。

設置した太陽光パネルの発電容量は184kWで、工場で電気を使用することができます。残った電気は電力会社に売らずに、自社で消費する方針です。

関係者の声をまとめると、太陽光発電の導入で環境に優しく電力を使えるようになっただけでなく、工場で働く人々の環境への意識も向上しました。また、環境に優しい電力を使う施設(工場)が近くにあることにより、この取り組みが近隣地域にも広がる可能性があると考えられています。

AWファーム千歳太陽光設備設置事業の概要

運営会社名AWファーム千歳株式会社
所在地北海道千歳市中央1114−13
電力需要施設野菜加工工場
運転開始2023年2月
設備容量太陽光パネル出力 184kWパワコン出力 183 kW
事業費総事業費:5,231 万円(うち補助額:2,426 万円 補助率:1/2)
公式サイトURLhttps://awf-chitose.com/

参考:環境省「営農地、ため池、廃棄物処分場等における太陽光発電の導入事例集」

株式会社サンフレッシュ小泉農園のトマト栽培施設

株式会社サンフレッシュ小泉農園

引用:農林水産省

宮城県気仙沼市にある株式会社サンフレッシュ小泉農園では、大規模なトマト農園でソーラーシェアリングを取り入れています。

この農園では、太陽光パネルをトマト畑の上部に適切な構造で配置しています。太陽の光がトマトにも十分に届くように調整されており、トマトの成長を妨げることなく発電できる仕組みになっています。

この取り組みが始まった背景には、農業経営の安定化という課題があります。農業は天候の影響を受けやすく、収入が不安定になりがちです。しかし、ソーラーシェアリングを活用すれば、発電した電気をハウス内の暖房などに使用でき、年間600万円ほどの電気代削減につながっています。

また、高所作業台車の充電を昼間に行ったり、出荷棟の空調設備も稼働させられるため、職員の健康管理にも効果的です。

さらに、この農園がある気仙沼市は東日本大震災で大きな被害を受けた地域です。そのため、地域の復興を支えるためにも、このソーラーシェアリングは期待されています。農業と発電を組み合わせた新しいスタイルが、地域の活性化にもつながる可能性を秘めています。

株式会社サンフレッシュ小泉農園のトマト栽培施設の概要

運営会社名株式会社サンフレッシュ小泉農園
所在地宮城県気仙沼市本吉町
電力需要施設トマト農園
遮光率68.5%
発電出力200kW
参考サイトURLhttps://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/einou.html

参考:農林水産省

みんエネ21号機・22号機

みんエネ21号機・22号機

引用:市民エネルギーちば株式会社

千葉県匝瑳市にある「みんエネ21号機(飯塚3335畑)」と「みんエネ22号機(飯塚3073畑)」では、太陽光発電と農業の両立が進められています。 このプロジェクトは、発電した電気を地元の農業施設関連に供給し、地域の再生可能エネルギー利用を促進することが目的です。

設置された太陽光パネルの発電容量は21号機が73kW、22号機が75kWで、パワーコンディショナー(電力変換装置)の出力はそれぞれ49.5kWずつです。発電された電力は、多古町旬の味産直センターや鏑木ライスセンター、しゅんの米工房、サポートセンターといった施設で利用されています。今後は電気自動車(EV)の導入も検討されています。

この取り組みの背景には、太陽光エネルギーを農業に活用しながら環境負荷を減らし、地域の活性化につなげたいという想いがあります。エネルギーちば株式会社は、2014年の設立当初から、自然環境を壊さずに太陽光発電を行う方法を追求してきました。両立させるだけでなく、作物を育てることでCO2を地中に固定し、さらに耕作放棄地を有効利用することも視野に入れています。また、農業従事者の確保がなされる中、売電収入の一部を「耕作協力金」として農家へ還元し、農業が継続できる環境を整える工夫も行われています。

この発電事業による電力は、持続可能な農業とエネルギーの融合に大きく貢献し、2024年3月の事業開始以来、導入前は9.52%だった再生可能エネルギーの利用割合が49.92%に向上しました。年間のCO2削減効果は104.7トンに上り、施設全体のCO2削減率は28.8%に達しています。

また、匝瑳市は2020年に災害時電力無償提供協定を結んでおり、今回の設備も災害時地域の緊急電源として活用できる仕様になっています。さらに、2023年11月には「脱炭素先行地域100選」に選ばれ、カーボンニュートラル達成に向かって進行中です。

みんエネ21号機、22号機の概要

事業者名市民エネルギーちば株式会社
所在地千葉県匝瑳市飯塚
電力需要施設鏑木ライスセンター、しゅんの米工房等
運転開始2024年3月
発電容量太陽光パネル出力 21号機73kW+22号機75kWパワコン出力 21号機49.5kW+22号機49.5kW
事業費総事業費:3,938万円(うち補助額:1,969万円 補助率:1/2)
公式サイトURLhttps://www.energy-chiba.com/

参考:環境省「営農地、ため池、廃棄物処分場等における太陽光発電の導入事例集」

千葉商科大学ソーラーシェアリング実験施設(1号機)

千葉商科大学ソーラーシェアリング実験施設(1号機)

引用:千葉エコ・エネルギー株式会社

千葉商科大学は、創立90周年を迎えたことを記念して、「CUC100ワイン・プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、学生たちが主体となってキャンパス内の太陽光シェアリング設備の下でぶどうを育て、大学創立100周年を迎える年に向けてオリジナルワインを造ることを目指しています。最初の目標は5年後には300本のワインを生産することで、すでにぶどうの栽培が始まっています。

このプロジェクトでは、太陽光シェアリングを活用した農業の未来を探るという目的もあります。設備で発電した電気は大学内で使用し、「自然エネルギー100%大学」という目標の実現にも貢献しています。また、農作業には地域の人々や農家、学生、子どもたち、障がいを持つ人たちも参加し、地域と連携した活動になっています。

千葉商科大学は、日本の大学で最大規模のメガ太陽光発電所を持っており、2019年には「電気で自然エネルギー100%大学」を達成しました。さらに、2020年度にはガスも含めたすべてのエネルギー再生可能エネルギーでまかなう「自然エネルギー100%大学」の実現を目指しています。今回のソーラーシェアリング実験施設の設置も、この目標を達成するための取り組みです。さらに、千葉商科大学は、その他の活動を含めた教育にも積極的に取り組んでいます。

千葉商科大学ソーラーシェアリング実験施設(1号機)の概要

運営会社名株式会社CUCサポート
所在地千葉県市川市国府台
電力の使途ぶどう栽培
竣工2019年3月4日
発電出力8.64kWp (DC)
遮光率約43.1%
公式サイトURLhttps://www.chiba-eco.co.jp/

参考:千葉エコ・エネルギー株式会社

さがみこベリーガーデン

さがみこベリーガーデン

引用:株式会社さがみこファーム

神奈川県相模原市の株式会社さがみこファームでは、遊休農地を活用したソーラーシェアリングに取り組んでいます。2022年にはブルーベリー摘みや食べ比べを楽しめる観光農園「さがみこベリーガーデン」をオープンしました。ここでは、ブルーベリーの摘み取り体験や、様々な品種の食べ比べを楽しむことができます。

訪れた人が農業に触れながら、新鮮なベリーの味を楽しめる場所となっており、地元の観光資源としても注目されています。食料・エネルギーの自給率を高めながら、農業に留まらない6次産業化に挑戦している事例です。

ブルーベリーなどの果樹を育てる農地に約270kWの発電設備を設置し、一般家庭約80軒分の電力を得られるようになりました。地元自治体と災害時の電源供給協定も締結しており、緊急時の電源確保の役割も担っています。これにより、緊急事態が発生した際には非常電源として活用され、地域の防災対策にも貢献できる仕組みが整えられています。

さがみこベリーガーデンの概要

運営会社名株式会社さがみこファーム
所在地神奈川県相模原市緑区青野原
電力需要施設ブルーベリー農場
営業開始2022年6月
発電出力約270kW
公式サイトURLhttps://www.sagamico-bg.org/

参考:さがみこベリーガーデン

株式会社ダイバーシティーズ太陽光発電設備

株式会社ダイバーシティーズ太陽光発電設備

引用:環境省

株式会社ダイバーシティーズは、農業と再生可能エネルギーを組み合わせた事業を進めている会社です。この事業のきっかけは、地域の農業の問題を​​解決しながら、新たな価値を持てる方法がないかを考えたことにあります。特に、農業と福祉を結ぶ「農福連携」の視点を取り入れ、持続可能な農業の在り方を検討しました。

事業を進めるにあたって、地元の自治会や農業委員会と何度も繰り返しを重ね、地域にとってメリットのある方法を考えました。この設備には130kWの太陽光パネルと100kWのパワーコンディショナーが導入されており、発電した電力は隣接するサンケイ技術研の工場で自家消費されています。以前は再生可能エネルギーの使用率が0%だった工場が、この設備によって年間約52トンのCO2が削減され、工場全体のCO2排出量も39%削減されました。

このプロジェクトの特徴は、発電した電力を売電するのではなく、地域で発電した電気を地域で消費する「地産地消型」の仕組みを採用している点です。これにより、地域のエネルギー自給率を高め、脱炭素社会の実現に貢献しています。

株式会社ダイバーシティーズ太陽光発電設備の概要

運営会社名株式会社ダイバーシティーズ
所在地長野県駒ケ根市赤穂
電力需要施設有限会社サンケイ技研
運転開始2023年2月
発電容量太陽光パネル出力 130kWパワコン出力 100kW
事業費総事業費:1,858万円(うち補助額:929万円 補助率:1/2)
参考サイトURLhttps://www.env.go.jp/content/000243256.pdf

参考:環境省「営農地、ため池、廃棄物処分場等における太陽光発電の導入事例集」

株式会社流通サービスの茶畑

株式会社流通サービスの茶畑

引用:株式会社流通サービス

静岡県掛川市にある株式会社流通サービスは、お茶の生産を行っている会社です。ここの茶畑では、太陽光パネルを設置しながらお茶を育てる方法を取り入れています。元々この会社では、お茶の葉に太陽光が当たりすぎないように寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる黒い布を使って栽培していました。そのため、太陽光パネルの下でもお茶がしっかり育つことがわかり、この仕組みを導入することになりました。

また、お茶の木は植え替えをした後、収穫できるようになるまでに数年の時間がかかるため、収益がなくなってしまいます。しかし、茶畑の上に太陽光パネルを設置することで、収穫できない期間でも発電した電気を売ることで収入を得ることができるようになりました。

さらに、ここで作られた電気は、寒冷紗の開け閉めを遠隔で自動操作するシステムにも利用されています。このシステムを使うことで、作業の手間が減り、コストも抑えられるため、より効率的にお茶を育てることが可能になりました。

この茶畑には、海外からのバイヤー(お茶を買い付ける業者)も訪れています。彼らは、長期で再生可能エネルギーを活用する取り組みに大きな関心を持ち、環境に優しい生産手法として高く評価しています。このような取り組みが、商品の魅力を高めるポイントの一つになっており、今後も持続可能な農業のモデルとして注目されています。

株式会社流通サービスの茶畑の概要

運営会社名株式会社流通サービス
所在地静岡県掛川市
電力需要施設茶畑
発電出力861.5kW
遮光率40%
公式サイトURLhttps://www.ecofarm.co.jp/index.html

参考:農林水産省

株式会社エコスマイル

株式会社エコスマイル

引用:株式会社エコスマイル

エコスマイルは、愛知県名古屋市に本社を置く企業で、農業と太陽光発電を組み合わせたソーラーシェアリングを導入しています。 エコスマイルが行っているソーラーシェアリングの特徴は「農福連携土地付きソーラーシェアリング」です。

また、エコスマイルは、発電した電力を企業や自治体に供給する「オフサイトコーポレートPPA」という仕組みを活用し、再生可能エネルギーの普及を進めています。このように、エコスマイルは農業の活性化・障がい者の雇用促進・日本のエネルギー自給率向上という3つの大きな課題の克服に貢献するために、ソーラーシェアリングを積極的に推進しています。

株式会社エコスマイルの概要

運営会社名株式会社エコスマイル
本社所在地愛知県名古屋市中区栄
公式サイトURLhttp://www.ecosmile-e.co.jp/

参考:株式会社エコスマイル

個人農家による追尾式太陽光発電の導入事例

個人農家による追尾式太陽光発電の導入事例

引用:農林水産省

この太陽光発電設備は、道路沿いに一本足でスタンドタイプのパネルを並べて設置しているため、下敷きでの農作業にほとんど影響を与えません。

また、この設備にはパネルが太陽の動きに合わせて動く「追尾式」の機能が付いています。 当初は上下左右の両方向に動く仕組みでしたが、風の影響を受けやすいことが問題となりました。

設備の運営者は有機農業に携わっている個人農家で、地元の有機農業グループにも参加しています。太陽光発電による売電収入があることで、農業の修理費を賄えるため、経済的に余裕を持ちながら有機栽培に専念できる環境が整いました。発電と農業の両立によって、持続可能な農業経営が可能となり、地域の農業にも貢献しているうえに、個人でもソーラーシェアリングが可能であるという貴重な事例です。

個人農家による追尾式太陽光発電の概要

運営者個人農家
所在地福井県坂井市
発電設備下部の農地水稲
運転開始2014年8月
設備容量48.9kW
事業費約2,300万円
参考サイトURLhttps://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/energy/attach/pdf/index-3.pdf

参考:農林水産省

福井農園のソーラーシェアリング

福井農園のソーラーシェアリング

引用:農林水産省

兵庫県豊岡市の福井農園では、農業と太陽光発電を両立させる方式に注目しました。しかし、太陽光パネルを設置することで作物の収穫量が減ってしまっては意味がないため、農業を最優先とする形で導入することを目指しました。

営農型太陽光発電では、比較的育てやすい作物を選ぶこともできますが、福井農園ではあえて水稲の栽培に挑戦しました。このモデル事業が成功したことで、豊岡市では営農型太陽光発電の導入が実現し、農業を中心とした再生可能エネルギーの活用が広がりました。また、発電した電力を地域で使う「地産地消」の仕組みもでき、自治体と連携した取り組みが実現しました。

この事業は、国家補助金制度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」を活用して行われました。2019年度に調査を行い、2020年度に太陽光発電設備を導入しました。国の支援を受けて、自治体との交渉がスムーズに進み、視察の増加にもつながりました。その結果、営農型太陽光発電の性質が広く認識され、自治体が発電した電力を購入することで事業の安定化に貢献する流れが生まれました。

福井農園のソーラーシェアリングの概要

運営者名福井農園
本社所在地兵庫県豊岡市福田
発電設備下部の農地水稲
運転開始2020年
発電出力35kW
遮光率30%
参考サイトURLhttps://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/guide/pdf/jirei_01.pdf

参考:資源エネルギー庁

株式会社讃岐の田んぼのソーラーシェアリング

株式会社讃岐の田んぼ

引用:農林水産省

株式会社讃岐の田んぼのソーラーシェアリングでは、藤棚式太陽光発電を3基導入し、下部では水稲・麦・ズッキーニ・ホウレンソウなどを栽培しています。当初は採算面が心配されていましたが、予想よりも高い利益が出るという見積りを得られたため導入されました。

同社は、営農型太陽光発電とスマート農業を組み合わせた取り組みを実践しています。水田に太陽光パネルを設置しながら、お米を育てる方法で、発電と農業を両立させる新しい試みです。

この水田では固定式と可動式の2種類の太陽光パネルを設置し、それぞれの影響を調べながら米作りを進めています。また、Wi-Fiを活用したICT環境を整備し、農作業を効率化しています。

このプロジェクトでは大学や企業と連携した研究も進められています。九州大学やJA香川県、大和総研の協力を受け、太陽光パネルが作品に与える影響を検討しながら、収穫量を安定させるためのノウハウをじっくりと検討しています。

営農型太陽光発電の導入から4年が経ち、この苦労は順調に進んでいます。発電した電気を活用しながら、環境に優しく効率的な農業を実現する試みは、今後の農業の新しいモデルとして注目されています。

株式会社讃岐の田んぼのソーラーシェアリングの概要

運営会社名株式会社讃岐の田んぼ
本社所在地香川県丸亀市飯山町
発電設備下部の農地水稲、麦、野菜
運転開始2016年5月
発電出力444kW
遮光率25~37%
参考サイトURLhttps://www.maff.go.jp/chushi/syokuryou/saiene/attach/pdf/chushi-15.pdf

参考:農林水産省

株式会社トペコおばらのソーラーシェアリング

株式会社トペコおばらのソーラーシェアリング

引用:株式会社トペコおばら

株式会社トペコおばらは、ネギの水耕栽培を行っている施設で、多くの電力を使用しています。特に、揚水ポンプの運転には電力が必要なため、電気代を削減できる方法を検討していました。その解決策として注目したのが営農型太陽光発電です。

この取り組みでは、水耕栽培ハウスに隣接する麦畑に太陽光発電設備を設置し、発電した電力をすべて自社で利用する「完全自家消費型」のソーラーシェアリングを導入しました。 この設備によって、年間の電力購入量を約25%削減できるとのことです。太陽光発電設備は、株式会社フィットと協力して設置されました。

太陽光パネルは、麦に十分な日光が当たるよう高めに設置されています。さらに、太陽の動きを考慮した設計にすることで、どの場所に植えられた麦にも均等に日光が当たるよう工夫されています。これにより、農作物の生育に影響を与えずに発電を行うことが可能になりました。

同社の担当者は今後について「営農型太陽光発電を活用することで、電力コストの削減や環境に優しい農業経営について農家にアドバイスしていきたい」と語っています。また、国の固定価格買取制度(FIT)に頼らず、新しい形の完全自家消費型の太陽光発電の活用方法を提案していく​​方針です。

株式会社トペコおばらのソーラーシェアリングの概要

運営会社名株式会社トペコおばら
本社所在地広島県安芸高田市甲田町上小原
発電設備下部の農地
発電出力95kW
遮光率30%
公式サイトURLhttps://www.topeco-obara.jp/

参考:農林水産省

ハウステンボス株式会社のソーラーシェアリング

ハウステンボス株式会社のソーラーシェアリング

引用:農林水産省

ハウステンボス株式会社は、エネルギー問題と食料問題の両方を解決できる方法としてソーラーシェアリングに注目しました。

園内には多くのレストランがあり、新鮮な食材の供給が求められています。また、観光農園としての活用も視野に入れて、ブルーベリーの栽培を選びました。ブルーベリーは日陰でも育ちやすく、太陽光パネルの下でも栽培しやすいため、ソーラーシェアリングと相性が良い作物です。

この取り組みは、地元の佐世保市からも高く評価されています。特に、市民に環境問題に対する意識を高める育成のモデルとして期待されており、環境教育の題材として活用されています。また、大学の研究者や農業関連の企業も関心を持ち、視察に来訪することが多々あります。

このプロジェクトによって、ハウステンボスは観光業だけでなく、持続可能なエネルギーと農業を組み合わせた新しいビジネスモデルを展開しています。食料の安定供給とエネルギーの確保を同時に実現するこの取り組みは、今後の農業の発展に大きな影響を与える可能性があります。

ハウステンボス株式会社のソーラーシェアリングの概要

運営会社名ハウステンボス株式会社
本社所在地長崎県佐世保市
発電設備下部の農地ブルーベリー
発電出力100kW
遮光率37%
公式サイトURLhttps://www.huistenbosch.co.jp/aboutus/

参考:農林水産省

まとめ

ソーラーシェアリングは、特に高齢化が進む農村部では農業の安定化手段として期待されています。営農型のため土地の転用が不要であり、農地の状態を維持しながら再生可能エネルギーを活用できることも特徴です。

しかし導入へのハードルはまだまだ高く、初期費用の高さや、太陽光パネルの遮光による農作物への影響などが懸念されています。 今後は遮光率を調整できるパネルの導入や、作物に適した設置方法を採用するなどの工夫が求められます。

今後、農業とエネルギーの融合を目指し、政策による支援や技術開発が進めば、より多くの農地でソーラーシェアリングが導入されることが期待できるでしょう。

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