再生可能エネルギー地球温暖化

次世代の発電技術5選を初心者の方にも分かりやすく解説

次世代の発電技術5選を初心者の方にも分かりやすく解説 再生可能エネルギー
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再生可能エネルギーと脱炭素化が求められる今、太陽光や風力だけでなく、さまざまな新しい発電技術が登場しています。本記事では、まだ一般にはあまり知られていないものの、将来のエネルギー供給に革新をもたらす可能性を秘めた5つの発電方法をご紹介します。それぞれの仕組みや実用化の現状、期待されるメリットについて詳しく解説します。

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潮流発電|予測可能な海のエネルギー

潮流発電

引用:五島市の再生可能エネルギー情報

潮流発電は、海の満ち引きや地形によって発生する「潮の流れ」を利用して発電する再生可能エネルギーで、海洋エネルギーの1つです。潮流は風や太陽と違って予測しやすく、安定した出力が見込める点が特徴です。

日本では、長崎県五島市沖において、スコットランド企業Simec Atlantis Energyと共同で500kW級の潮流発電機「AR500」の実証運転が行われ、2021年に経産省の技術認証も取得しました。今後、国内の離島電化や海洋資源開発と連携した普及が期待されています。

参考:長崎県五島市公式サイト

また、海洋エネルギーについて知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。

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空中風力発電|上空の安定した風を活用

空中風力発電

引用:三菱重工

空中風力発電は、高高度に存在する強く安定した風を利用し、凧やドローン型風力機を空中に浮かせて発電を行う技術です。地上型の風力よりも設置面積が少なく、効率も高い可能性があります。

日本でも空中風力発電研究会が発足し、東京大学などを中心に研究が進められています。エネルギー密度の高い「ジェット気流層」にアプローチすることで、将来的には現在の風力よりもはるかに高い発電量が見込まれています。

参考:空中風力発電研究会論文

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微生物燃料電池|バイオの力で発電

微生物燃料電池

引用:栗田工業

微生物燃料電池(MFC)は、排水などの有機物を分解する際に、微生物が電子を放出する仕組みを利用して発電する革新的な技術です。従来、処理にコストがかかっていた廃水が、逆にエネルギー源に変わります。

愛媛県では、四国電力と愛媛大学がみかん農園の水田を用いた実証を行っており、農業×再エネの融合モデルとして注目されています。また、水処理専業大手の栗田工業はMFCを排水処理装置に応用し、企業の省エネ・電力回収に貢献できるとしています。

参考:栗田工業 プレスリリース

熱音響発電|音波で排熱を再利用する革新技術

熱音響発電

引用:UACJ

熱音響発電は、熱エネルギーを音波に変換し、その音波を利用して電力や冷却エネルギーを生み出す技術です。この技術は、可動部品が少なく、メンテナンスが容易であることから、工場の排熱利用や宇宙空間でのエネルギー変換など、さまざまな分野での応用が期待されています。

参考:東海大学新聞

日本では、株式会社UACJが中央精機株式会社と共同で、アルミニウム工場の排熱を活用した「熱音響冷却システム」の実証実験を開始しました。このシステムは、200℃~400℃の低温排熱を音波に変換し、冷却エネルギーとして再利用するもので、CO₂排出量の削減にも寄与することが期待されています。

参考:UACJ

また、昭電工業株式会社は、産学連携で高温炉の冷却を目的とした熱音響デバイスの開発を進めています。このデバイスは、ステンレス管内で発生させた音波を利用して、約1kWの熱を高温炉の外部へ運び出すことに成功しており、特許も取得しています。

参考: 昭電工業

さらに、東海大学と中央精機株式会社は、工場の排熱を利用した熱音響冷却システムの実証実験を行い、-10℃の冷熱を生成することに成功しました。このシステムは、可動部品を使用していないため、メンテナンスフリーであることも利点とされています。

参考:東海大学新聞

これらの取り組みは、未利用の排熱を有効活用し、エネルギー効率の向上と環境負荷の低減を図るものです。熱音響発電は、今後の持続可能な社会の実現に向けた重要な技術の一つとして、さらなる研究と実用化が期待されています。

深層地熱発電|あらゆる場所に熱源を

深層地熱発電

引用:経済産業省 資源エネルギー庁

従来の地熱発電は、温泉資源のある限られた地域でしか利用できませんでしたが、次世代型地熱発電では「深部の岩盤層」から人工的に熱を引き出す技術(EGS:Enhanced Geothermal System)が開発されています。

これにより、これまで地熱発電が難しかった場所でもエネルギー回収が可能になり、国内のエネルギー自給率向上にもつながります。日本政府も2050年までに地熱の出力を10倍に増やす目標を掲げています。

参考:経済産業省 資源エネルギー庁

また、次世代の地熱発電技術として、クローズドループという技術も研究が進められています。クローズドループについては、こちらの記事も参考にして下さい。

まとめ

今回ご紹介した発電方法は、いずれも高い発電ポテンシャルと将来性を秘めた技術です。特に排熱や廃水など未利用資源を活用できる点が魅力で、環境負荷の少ない発電手段として期待されています。今後、エネルギー自給率向上と脱炭素社会の実現に向け、実用化が進むことでしょう。

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