再生可能エネルギー

【初心者向け】地中熱エネルギーとは?地熱発電との違いも解説

地中熱エネルギーとは?再生可能エネルギー
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初心者の方にはやや分かりにくい「地中熱エネルギー」ですが、環境に優しいエネルギー源の1つとして注目されています。

「地熱発電のことでしょ?」と思った方も多いでしょうが、実は全く別のものです。

この記事では、地中熱エネルギーとは何かということから、利用方法・メリット・地熱発電との違いなどを、初心者の方にも分かりやすく解説しています。

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地中熱エネルギーとは

地中熱エネルギーとは、地上と地中の温度差を利用したエネルギーです。

その仕組みを見てみましょう。

地中熱とは?

まず、地中熱とは何なのかを説明しましょう。

地中は、地上よりも温度変化が少ないという特徴があります。

実は、地面から数十メートル下の地中の温度は、一年を通じて16℃前後とほぼ一定なのです。

それに対して、ご存知のとおり日本の夏は気温が30℃以上、冬は0℃前後になります。

この温度差によって発生するエネルギーが、地中熱です。

地中熱は、私たちの身近なところでも感じられます。

例えば井戸水が、夏は冷たくて冬は温かいということをご存知の方は多いでしょう。

また、冬に橋の上が凍結しやすいのも、橋が地面から離れているため、地中熱が橋に直接伝わらないからです。

蛙などが地中で冬眠するのも、地上より温かいからという理由があります。

太陽光によって暖められた地面がわずかに熱を蓄え、地上との温度差がエネルギーを生み出すのです。

地中熱エネルギーの仕組み

地中熱エネルギーは、おもにヒートポンプとして冷暖房などに利用されます。

ヒートポンプとは何かを簡単に説明すると、低温の場所から高温の場所へ熱を移動させる仕組みです。

この仕組みは私たちの生活の中では、家電製品のエアコンや冷蔵庫などに利用されています。

地中熱エネルギーを冷暖房として利用する場合を例にして説明しましょう。

まず見ていただきたいのは、以下の地中熱エネルギーを冷暖房として利用したヒートポンプのイメージ図です。

出典:地中熱利用促進協会公式サイト

冷房としては、地中から冷気を屋内に伝え、屋内の熱を地中へ放熱する仕組みです。

逆に暖房では、地中からの熱を屋内で放熱し、屋内の冷気を地中へ伝えます。

エアコンの室外機が地中にあるというようなイメージです。

一般的なエアコンとの違いは、夏は涼しく冬は温かい地中熱をそのまま屋内へ伝えられるので、少ないエネルギーで冷暖房が行える点です。

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地中熱エネルギーのメリット・デメリット

地中熱エネルギーには、環境保護につながるメリットがいくつかあります。

デメリットも併せて見てみましょう。

地中熱エネルギーのメリット

消費電力が少ない

先述のように、地中熱エネルギーを利用したヒートポンプは、一般的なエアコンに比べて少ないエネルギーで冷暖房を行えます。

例えば夏には、一般的なエアコンは30℃以上にもなる外気を冷却してから屋内に放出しなければならないので、それだけ多くの電力を必要とします。

一方で、地中熱エネルギーを利用したヒートポンプは、地中から16℃の冷気を屋内に伝えるので、冷却する必要がほとんどありません。

CO2を排出しない

地中熱エネルギーを利用したヒートポンプは、CO2の削減にもつながります。

一般的な冷暖房設備と比較すると、約50%もの削減になるので、環境にとても優しいシステムです。

ヒートアイランド対策になる

地中熱エネルギー式のヒートポンプを利用すると、都市部で問題になっているヒートアイランド現象の対策になります。

熱交換器が地中深くに埋められているため、一般的なエアコンのように室外機から屋外に熱を放出しないので、周辺の気温を上昇させることはありません。

騒音が少ない

地中熱エネルギーを利用したヒートポンプは、一般的なエアコンのような室外機の騒音がありません。

地中熱エネルギーを利用したヒートポンプでは、一般的なエアコンの室外機にあたる熱交換器が地中深くに埋められているので、騒音の心配が全くないのです。

地中熱エネルギーのデメリット

地中熱エネルギーのデメリットとしては、設置するための費用が高額になることが挙げられます。

地中熱エネルギーを利用したヒートポンプは、地面から10m以上もの深さに機器を設置しなければならないので、掘削費用は相当な金額になります。

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初心者の方にも分かる地中熱エネルギーと地熱発電の違い

地中熱エネルギーと地熱発電は、名前はよく似ていますが、内容は全く異なります。

地熱発電は、火山のマグマによって熱せられた高温の水蒸気の力で蒸気タービンを回転させ、その回転エネルギーを発電に利用する仕組みです。

水蒸気の温度は150℃以上にもなり、大規模な発電設備も運用されています。

一方で、地中熱のエネルギー源は火山のマグマではなく、太陽光の熱です。

また、地中熱エネルギーには熱せられた水蒸気などはありません。

地上と地中を管でつなぎ、内部に水や不凍液を循環させて熱交換を行う仕組みで、小規模な設備として運用されています。

地熱発電については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にして下さい。

初心者にも環境にも優しい地中熱エネルギー

地中熱エネルギーは、東日本大震災をきっかけに、特に東北地方や北海道で多く導入されてきました。

初心者にも扱いやすく、豊富な地下水を抱える日本に合ったシステムで、将来性が高く評価されています。

環境保護に大きく貢献するポテンシャルを秘めているので、これからも注目していきましょう。

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