最近災害が多いので、非常用電源として自宅に太陽光発電を設置したいけど、停電になったときに役に立つのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、災害の時に太陽光発電が非常用電源として役立つのかを、電気の苦手な方にも分かりやすく解説します。
災害時に太陽光発電は役立つ?
結論から言うと、太陽光発電は災害時にとても役に立ちます。
発電量は天候に左右されますが、曇り空でもある程度は発電できるので、災害で停電していても電気を使用できます。
太陽光発電の発電量の目安
もしも停電が発生した場合、太陽光発電でどの程度の電力がまかなえるのでしょうか。
太陽光発電協会(JPEA)では、1kWの太陽光発電の年間発電量を1,000kWhとしています。
1,000kWhを365日で割ると、1日の発電量は約2.7kWhになるので、この数値を基準にして計算してみましょう。
太陽光発電でまかなえる電力
一般家庭に設置されている太陽光発電の多くは、出力が3~5kWです。
1日の発電量に換算すると、先述の2.7を掛けて約8~13kWhになります。
また環境省のデータによると、2019年の日本の家庭の平均的な使用電力量は、1年間で4,047kwhとなっており、1日で約11kWh使用したことになります。
あくまでも平均ですので、家族構成や気候などによって使用電力量は違ってきますが、平均的な太陽光発電でも大体の電力はまかなえることが分かります。
災害時に太陽光発電を使用するための注意点
太陽光発電があれば停電時でも電気を利用できますが、災害時に慌てないために事前に気をつけておくポイントがあります。
ここでは、パワーコンディショナについての注意点と、夜間の電源を確保する方法を解説します。
パワーコンディショナの注意点
災害時に太陽光発電を活用するためには、パワーコンディショナの取り扱いが重要です。
まずパワーコンディショナについて簡単に解説し、続いて自立運転モード・設置位置・使用できる電気の3つの注意点について解説します。
パワーコンディショナとは?
パワーコンディショナとは、太陽光発電で発電した電気を、家庭用として使用できるようにするための機器です。
なぜパワーコンディショナが必要かというと、電気には直流(DC)と交流(AC)があるからです。
太陽光発電で発電した電気は、乾電池などと同じ直流。
一方で、家庭用電源コンセントから使用できる電気は交流です。
パワーコンディショナは、直流の電気を交流の電気に変換する役目を担っています。
パワーコンディショナで交流に変換された電気は、各家庭に設置されている分電盤(ブレーカー)を経て、それぞれの家電製品へと送られるのです。
停電時はパワーコンディショナを自立運転モードに
パワーコンディショナの1つ目の注意点は、停電時にパワーコンディショナを「自立運転モード」に切り替えることです。
自立運転モードに切り替えると、太陽光発電で発電した電気を、ブレーカーを通さずにパワーコンディショナから直接それぞれの家電製品へと送れるようになります。
実は、せっかく太陽光発電を設置していても、自立運転モードを知らなかったために、停電時に電気を使用できなかったという方が少なからずいるのです。
切り替え方法は、基本的にはブレーカーを落としてから自立運転モードに切り替えるという手順ですが、メーカーごとに多少の違いがあります。
停電したときに慌てなくても済むように、自立運転モードに切り替える方法は事前に確認しておきましょう。
パワーコンディショナの設置位置
パワーコンディショナの2つ目の注意点は、設置する位置です。
なぜなら、停電時にはパワーコンディショナのコンセントに直接プラグを差し込んで電気を使用するからです。
例えば、停電になって照明が使えないときに、パワーコンディショナが高い位置に設置されていると、コンセントが見づらいかもしれません。
最初にパワーコンディショナを設置するときに、施工業者とよく話し合って位置を決めるとよいでしょう。
使用できる電気の制限
パワーコンディショナの3つ目の注意点は、使用できる家電製品についてです。
実は、パワーコンディショナの自立運転モードを使用しているときは、一般的に1,500Wまでの出力しか使用できません。
例えば、太陽光発電の出力が3kWあっても、パワーコンディショナの自立運転モードに切り替えている時は、電気を1,500Wまでしか使用できないのです。
つまり、ドライヤーや電子レンジといった消費電力の高い機器を同時に使用すると、パワーコンディショナのブレーカーが供給を遮断してしまう可能性があります。
太陽光発電を停電時の非常用電源として使用する場合は、使用機器の数を普段よりも控え目にしておき、できれば一度に使用できる家電製品を把握しておくとよいでしょう。
夜間の電源を確保する方法
非常用電源が太陽光発電しかない場合は、夜間の電源として使用することはできません。
停電時に夜間でも電気を使用できる状態にしておくためには、次のような方法があります。
- 蓄電池を設置し、太陽光発電と連携しておく
- 発電機を使用する
- ポータブル電源を使用する
このうち、家庭用蓄電池は容量が5kWh~10kWhのものが多く、普段からこまめに充電しておけば停電時に活躍するでしょう。
4人程度の家族であれば、夜通し電気を使用しても問題ありません。
家庭用蓄電池については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、初心者の方に扱いやすいポータブル電源もおすすめです。
ポータブル電源については、こちらの記事で詳しく解説しています。
太陽光発電で災害を乗り切ろう
太陽光発電は年々性能が向上しており、今や停電時の非常用電源として十分に機能するレベルです。
災害に備えるのであれば、蓄電池とセットで設置しておくと、数日間にわたる停電でも安心して過ごせるでしょう。
まずはお気軽にお見積りからいかがでしょうか。