初心者の方が「太陽光発電をやってみたいな」と思っても、実際に設置するとなると「自分には難しくて無理かも」と諦めてしまう方も多いでしょう。
しかし、心配することはありません。
今回の記事では太陽光発電が難しいと感じる方のために、太陽光発電の初歩的な知識を、メリット・デメリットも紹介しながらやさしく解説します。
最後までお読みいただけば、太陽光発電について知識がほとんどなかった方にも、きっと理解していただけるでしょう。
太陽光発電の基礎知識とは?
太陽光発電とは、太陽の光を「太陽電池モジュール(ソーラーパネル)」で受けて電気エネルギーに変換する設備です。
従来はソーラーパネルという呼び方が一般的でしたが、最近ではどちらかというと太陽電池モジュールという呼び方のほうがよく使われます。
ここでは、難しい話はできるだけ避け、「これだけ知っておけば大丈夫」という基礎知識をピックアップして1つずつ解説します。
まずは太陽光発電の仕組みを見てみましょう。
太陽光発電の基礎的な仕組み
太陽光発電の基本となるのは、「太陽電池モジュール」と「パワーコンディショナー」です。
太陽電池モジュールは半導体で形成されており、半導体が太陽光を受けると内部で「電子」の移動が発生することにより、電気の流れが起こって発電できます。
しかし、太陽電池モジュールで発電できる電気は、乾電池などと同じ「直流」なので、一般家庭や業務用などに使用できるように「交流」の電気に変換する必要があります。
その直流から交流への変換を行う機器が、パワーコンディショナーです。
深い意味は分からなくても、「こんなものがあるのだな」という程度に思っていただければ問題ありません。
太陽光発電の基礎的なメリット
新しく太陽光発電を導入するためには、あらかじめメリットを知っておくと運用のモチベーションにつながるでしょう。
太陽光発電には、おもに次のようなメリットがあります。
- 電気代を節約できる
- 環境に優しい
- 非常用の電源となる
- 売電による収入が得られる
以下で、それぞれを順に解説します。
電気代を節約できる
太陽光発電は太陽の光さえあれば発電できるので、設置すれば電気代の節約になります。
一般家庭であれば、1kWクラスの太陽光発電でも十分に電気代の節約になるでしょう。
環境に優しい
太陽光発電はCO2などの温室効果ガスを排出しないので、環境に優しい発電です。
発電時に大きな音を発することもないので、騒音で迷惑をかける心配もありません。
地球環境の維持に貢献できるという充実感も得られるでしょう。
非常用の電源となる
太陽光発電は太陽の光さえあれば停電時でも発電できるので、災害時などの非常用電源として利用できます。
さらに、発電した電気を充電できる蓄電池を所有していれば、電気を貯めておくこともできるので、悪天候時や夜間にも電気を利用することが可能です。
売電による収入が得られる
太陽光発電で発電した電気が余った場合は、電力会社に売電することができます。
価格は「FIT制度」という国の制度で毎年決められています。
2023年度の価格は、一般家庭用となる10kW未満の太陽光発電で16円/kWh(税込み)です。
太陽光発電の基礎的なデメリット
太陽光発電には多くのメリットが有る一方で、いくつかのデメリットもあり、知らないまま導入すると運用の妨げになる可能性もあります。
特に初心者の方は、営業マンに勧められた言葉を鵜吞みにしてしまう傾向があるので、デメリットを考慮せずに導入することはトラブルの元です。
太陽光発電には、おもに次のようなデメリットがあるので、あらかじめ把握しておきましょう。
- 天候の影響を受ける
- 定期的なメンテナンスが必要
- 廃棄に費用と手間がかかる
以下で、それぞれを順に解説します。
天候の影響を受ける
太陽光発電は雨天時にはほとんど発電できないなど、発電量が天候に大きく影響を受けます。
特に、晴天の少ない地方に設置を検討する場合は、あらかじめ日照時間を把握しておくとよいでしょう。
定期的なメンテナンスが必要
太陽光発電は比較的少ないメンテナンスで運用できますが、長期間安定して発電したい場合は定期的なメンテナンスが必要です。
太陽電池モジュールの表面の汚れを放置していると発電量が低下するほか、台風などの自然災害により破壊されることもあるので注意しましょう。
廃棄に費用と手間がかかる
太陽光発電は、一般的なごみと同じように簡単に廃棄することができず、廃棄に費用と手間がかかります。
なぜなら、太陽光発電には環境を破壊する物質が含まれているため、廃棄する場合は「産業廃棄物」として廃棄しなければならないからです。
太陽光発電の廃棄については、こちらの記事で詳しく解説しています。
太陽光発電を初心者が今から導入するのは遅い?
結論から言うと、今から太陽光発電を導入しても決して遅くはありません。
電気代が高騰していることや、電気自動車の普及が進むことなどを想定して、自家発電用として利用する価値は十分にあります。
ただし、以下の点には注意しておく必要があります。
- 売電価格が低下しているので、売電による収入の確保は難しくなっている
- 2020年度以降のFIT制度では、30%以上を自家消費に充当していなければ売電できない場合がある
太陽光発電を今から導入してもよいのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
太陽光発電の初心者向け利用例
ここでは、太陽光発電を初心者の方が利用する際におすすめな例をご紹介します。
屋根置き太陽光発電
まずは最も一般的な、屋根置き太陽光発電です。
自宅の屋根を利用するので、戸建て住宅にお住いの方ならば問題なく設置できるでしょう。
太陽電池モジュールの価格は年々安価になっており、初心者の方にも導入しやすくなっています。
売電目的というよりは、自家消費して電気料金を削減するという目的に対して効果的です。
屋根置き太陽光発電については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ソーラーカーポート
近年急速に普及しているソーラーカーポートは、初心者の方にもおすすめできる太陽光発電です。
一般家庭のカーポートはもちろん、企業や公共施設にも数多く設置されるようになりました。
電気自動車が今後さらに普及していくことを考えると、ソーラーカーポートを設置しておくことは大いに役立つでしょう。
ソーラーカーポートについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
野立て太陽光発電
野立て太陽光発電は、更地に太陽光発電を設置する手法です。
近年は耕作放棄されている農地が増えているので、農地から転用して野立て太陽光発電を設置する例が増えています。
野立て太陽光発電については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、農地転用して太陽光発電を設置する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
農業用太陽光発電
農地転用とは逆に、農業に太陽光発電を活かしたい方も増えています。
夜間にLEDライトで作物を照らして成長を促したり、ビニールハウス内の温度調節をするための電力として活かしたりするなど、利用方法はたくさんあります。
また、農業と太陽光発電を高度に両立させる「ソーラーシェアリング」も注目されており、専業農家の方には特におすすめです。
ソーラーシェアリングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
太陽光発電が義務化される?
2022年の太陽光発電に関する大きなニュースの一つとして、東京都などで太陽光発電が義務化されるとの発表がありました。
環境保護に対する意識は年々高まっており、このような動きは全国的に広まっていくことが予想されています。
太陽光発電の義務化については、こちらの記事で詳しく解説しています。
初心者でも太陽光発電は運用できる!
太陽光発電は初心者の方でも、電気料金が今後ますます上昇することを考えると、今からでも利用するメリットは十分にあります。
一般家庭用であれば、初心者の方には特にソーラーカーポートがおすすめなので、駐車場をお持ちの方はぜひ検討してみて下さい。