太陽光発電の撤去費用が高額だと聞いて心配になっている方はいませんか?
太陽光発電の寿命が来る前に、あらかじめおよその撤去費用を把握しておくと安心です。
この記事では、太陽光発電の撤去費用について目安となる金額を提示しながら、初心者の方にも分かりやすく解説します。
太陽光発電の撤去費用は高額?
太陽光発電を撤去して廃棄するには、決して安くはない費用がかかります。
家庭用の太陽光発電の撤去費用は、5kW程度の平均的な設備の場合、総額で約20~30万円となります。
撤去費用が高額になる最も大きな理由は、太陽電池モジュール(ソーラーパネル)が産業廃棄物に分類されるからです。
太陽電池モジュールには自然環境に悪影響を与える有害物質が含まれているため、産業廃棄物に指定され、誰もが勝手に捨てることはできないようになっています。
産業廃棄物を合法的に廃棄するためには、産業廃棄物事業者の免許を所持している専門業者に依頼しなければなりません。
また、太陽電池モジュールは屋上に設置されていることが多く、危険が伴う作業になるため、撤去する際の工賃も高額になります。
太陽光発電の撤去費用の内訳
太陽光発電の撤去を専門業者に依頼した場合、費用の内訳は、おもに次のようなものがあります。
人件費
専門業者の作業員に支払う作業料金です。
一般的な住宅の場合は10万円程度が相場です。
足場代
太陽電池モジュールが屋上などに設置されている場合は、足場を組んで作業しなければなりません。
足場は安全のために足場専門の作業員に組んでもらうことが望ましく、足場をレンタルする費用も必要です。
平均的な住宅の場合、足場代は約15~20万円になります。
高所作業車代
建物の配置によっては、足場を組むことができない場合があるので、高所作業車を利用することがあります。
現場の下見や見積もり時に、足場を組めるかどうか、または高所作業車を使用できるのか確認してもらうとよいでしょう。
高所作業車を所有していない業者に依頼する場合は、建機リース会社からレンタルする必要があるので、レンタル料金がかかります。
運搬費用
太陽光発電の撤去費用の中で、最も料金に差が出る可能性が高いのが運搬費用です。
なぜなら、金額が運搬距離によって決まってくるからです。
複数の業者で相見積もりを取る場合は、廃棄場までの運搬距離も頭に入れておくとよいでしょう。
また、運搬費用は太陽電池モジュールの重量によっても決まるので、運搬に使用するトラックの大きさでも費用が変わります。
目安としては、平均的な1枚20kg程度のモジュールならば50枚で約1トンになるので、一般的な住宅用太陽光発電の場合は2トン車までで十分に運べるでしょう。
処分費用
先述のように太陽電池モジュールは産業廃棄物に指定されているので、免許と専門的な知識を持った業者によって、指定された場所に合法的に廃棄されなければなりません。
専門業者に依頼した場合の処分費用の目安としては、平均的な20kg程度の太陽電池モジュール1枚あたり2,000円~5,000円です。
引用:環境省「太陽電池モジュールのリサイクル費用に関する調査結果」
屋根の補修費用
屋上に設置されていた太陽電池モジュールを撤去するときに、忘れがちなのが屋根の補修です。
撤去業者が屋根の補修までできるなら、同時に依頼することができますが、できない場合は屋根の補修を専門とする業者に依頼しなければなりません。
補修費用は、撤去したモジュールの数や屋根の状態によってさまざまなので、事前に確認しておきましょう。
太陽光発電は自分で撤去できる?
太陽光発電の撤去費用を安価に抑えたい方は、自分で撤去したいと考えることもあるかもしれません。
しかし、安易に自分で撤去することは安全の面から言っておすすめできません。
屋上での作業には落下の危険が伴うことはもちろん、帯電した状態の太陽電池モジュールに触れると感電の危険性もあります。
また、劣化した太陽電池モジュールから有害物質が流失する可能性もあり、人体にも環境にも悪影響を与えます。
さらに、合法的な廃棄をしなければ不法投棄として罰せられることもあるので注意が必要です。
太陽光発電の撤去は専門業者に依頼しよう
太陽光発電の撤去には高額な費用がかかりますが、費用をかけてでも適切に処理しなければ、思わぬ形で不法投棄の罪を着せられる可能性があります。
子孫に美しい地球環境を残すためにも、実績が豊富で確かな技術を持つ専門業者に撤去・廃棄を依頼しましょう。
太陽光発電の撤去に関する基礎知識を知りたい方には、こちらの記事も参考にして下さい。